機動戦士ガンダム
2233話
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く、セイラはそう告げる。
そんなセイラの言葉が周囲に響いた瞬間、軍人達の中には意外そうな表情を浮かべている者もいた。
いやまぁ、ジオン軍の掌の中にいるというのに、まさかあっさりとこう言うとは思わなかったのだろう。
とはいえ、これはあくまでも護衛としての俺がいるからの話だ。
俺がいる状況でセイラに危害を加えるという真似は……普通に考えればまず不可能なのだから。
俺の記憶を読んだ事のあるセイラだからこそ、そう判断出来たのだろう。
そんなセイラの考えを理解した訳ではないだろうが、ダイチは本当にいいのかと聞き返す様子もなく、俺達を案内する。
ジオン軍人達が並んでいる中を進む。
当然のようにこちらに敵意を向けてくる視線は多いが……特に何か行動に出るような真似をする奴はいなかった。
まぁ、殺気の類もないので、その辺は本気で心配をするといった事はなかったのだが。
そうして進む中で用意された車に乗り、進む。
「すいません、仰々しい真似をして」
車に乗り込み、運転手の軍人に進むように言ってからダイチはそう頭を下げてくる。
ちなみにこの車は普通の車ではなく、リムジンのようないかにも高級車といった感じの車だ。
コロニーの中で動いている車は、基本的にエレカー……いわゆる、電気自動車だ。
エレカーのリムジンという表現に、何だか妙な違和感があるように思えるのは、俺の気のせいか?
まぁ、UC世界ではこれが普通なのかもしれないが。
「いえ、気にしなくて構いません。私も自分がジオン軍人にどのように思われているのかは知ってますので」
セイラのその言葉は、実感をもってのものだろう。
もっとも、以前まではともかく、今のジオン公国にはセイラを一方的に憎む……と、そういう者だけではない。
セイラ自身のカリスマや、これまでセイラが暴露してきたジオン公国の暗部。
それらによって、サイド3内部でもジオン公国……いや、ザビ家に不信を抱くような者が増えてきているのは事実らしい。
もっとも、ザビ家はそのような者達の取り締まりを強化しているらしいが。
そんな訳で、結果としてサイド3からクレイドルに移住を希望する者も若干増えている。
ただし、移住希望者の中には相変わらずキシリア機関だったり、それ以外にも他の手の者のスパイが混ざっている事があるので、注意が必要だが。
とはいえ、そのようなスパイも育てるには相応のコストが必要となる。
だが、クレイドルに向かえばその大半が捕まってしまうのだから、コストパフォーマンス的には大きな損害と言えるだろう。
それでも、ジオン公国としては俺達の情報は絶対に得る必要があるという事で、懲りずにスパイを潜り込ませようとしてくるのだが。
「分かりました。では、そちらにご
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