機動戦士ガンダム
2233話
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「今日のコンペは色々と楽しみにしていた」
「そうですか。……ちなみに、アクセル代表はどちらが次期主力機として採用されると思いますか?」
「そう言われてもな。残念だが、俺は今回のコンペに出されるMSの性能についてあまり知らないしな」
実際には、前もって色々と情報を調べてはいる。いるのだが……ニュータイプ研究所の一件から、ジオン軍の方でも重要なデータはコンピュータの中に残さないようになったらしく、R型もドムも機体性能は分からなかった。
ただ……
「個人的な好みでは、ドムよりもザクの方が好きだけどな」
「おや、ヅダを正式採用しているからには、てっきりドムを押すのかと思ったのですが」
あはははは、と軽く言ってくるダイチ。
とはいえ、その視線の中では俺が自分の台詞にどう反応するのかといった事をしっかりと確認しようとしていた。
「そうか? まぁ、ヅダの件もあって何だかんだとツィマッド社と関係が深いのは理解しているが……ドムは俺の好みじゃないんだよな。ずんぐりむっくりとしているような感じがして」
その言葉にダイチは再び笑うが、別にこれは冗談でも何でもなく、純粋に俺の感想だ。
基本的に攻撃は回避する事を前提にしている俺としては、敵の攻撃を受けて防ぐ事を目的にしているドムとは相性が悪い。
勿論実際に操縦すれば、それなりに使えるとは思うが……R型……いや、資料によればR2型だったか。そのR2型の方が、俺の操縦とは相性が良い。
……もっとも、実はR2型もドムのようにずんぐりむっくりとした機体だったら、話は別だが。
「さ、ともあれどうぞ。それと……シーマ中佐、後でサインを貰っても構いませんか? 実は妹がシーマ中佐のファンでして」
本来なら、少将が中佐に対してこのような言葉遣いをする事はない。
だが、ダイチはジオン公国の軍人で、シーマはルナ・ジオンの軍人だ。
そうである以上、シーマに対して丁寧な言葉遣いで話し掛けるのは当然だった。
サインを求められたシーマは、困ったような、照れたような、そんな複雑な表情を浮かべ……やがて若干渋々ではあったが、ダイチに渡されたメモ帳にサインをする。
シーマが来るということが分かっていれば、恐らく色紙の類も用意したのだろうが……それを知らなかった今の状況で用意出来るのは、それだけだったのだろう。
ジオン軍人の中には、何人かダイチを羨ましそうな表情で見ている奴がいるんだが……シーマも、かなり人気者になってきてるな。
「ありがとうございます。これで妹に喜んで貰えると思います。……では、早速ですが観覧席にご案内します。その、どうしますか? ジオン軍の軍人と同じ場所でいいのか、それともセイラ代表達だけがいいのか」
「一緒で構わないわ」
一瞬の躊躇もな
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