MR編
百五十七話 談笑響く迷宮
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人でポーズを決めていたところを見られたのが恥ずかしかったのだろう、正直リョウにも経験が無いわけではない。
「よっ。良い動きだったな……最後のピースサインも含めて」
「言わないでよぅ!!恥ずかしいなぁ……リョウ、何時から居たの?」
「お前さんがシャープネイルぶっ放した辺りからだ。そっちはいつ此処来た?」
「ついさっき!そっちの通路から来たら壁からさっきのが出てきたんだ」
「ふぅん?」
部屋に続く通路はユウキがやってきたそれと、リョウ自身が歩いてきた通路の他には見当たらない。ユウキが示した壁に近寄ると、リョウは自らの顎を軽くなでた。壁は縦になった石棺が埋まったような作りになっていて、先ほどユウキに倒されたモンスターはこの石棺に入っていたのだろう。と……
「あぁ、なるほどな」
「?」
「おら、よっと!」
突然、リョウが石棺の奥、壁になった部分を蹴り飛ばす、するとその部分がバラバラと崩れ、向こう側に薄明りの灯る通路が見えた。
「あ、この棺の向こうに通路があったんだ!」
「そう言うこったな、ん、簡単に崩れるわこれ」
「へぇぇ……よくわかったねリョウ!」
「昔からゲームばっかやってると、こういう事にだけは敏感になるんだな、っと!」
三度目の蹴りで、壁が完全に崩壊し人ひとりが通るには十分な大きさの穴が開く。軽く腰を落として向こう側を覗き込みながらリョウは軽く頷いた。
「うし、ひとまず敵影無し……先行くぞ、頭気を付けろよ」
「了解!」
ピッと軽い敬礼をして答えるユウキに苦笑しながら、リョウは低い天井をくぐった。
────
「そういやぁ、お前さんの剣筋……やっぱ、ランに似てんのな」
「えっ!?」
ユウキを前方に置いた状態で慎重に、しかし速やかに通路を進行する中、不意にリョウがそんなことを言った、ユウキの方はと言うと、いきなり姉の名前が出てきたことによほど驚いたのか振り向くのももどかしそうに後ろ歩きになってリョウを見る。
「リョウもボクの姉ちゃんを知ってるの!?」
「あ?なんだよ、アイツちゃんと言わなかったのか?俺と、ランと、サチの三人で前にダンジョン潜ったって話だぞ?あと前見ろな」
「知らなかった!ボク、サチからはまだ話ちゃんと聞いてなくて……」
「なんだ、そなのか。んじゃあ俺もあんま言うこっちゃねぇか……」
担いだ斬馬刀を肩にトントンと当てて虚空を見るリョウに、ユウキはあからさまに不服そうだった。相変わらず後ろ歩きにリョウを見ながら、ピョンピョンと飛び跳ねて抗議する。
「えー!?聞きたい!」
「その内話してやるよ、少なくとも、今こんな辛気臭ぇとこで話すこっちゃねぇって、あと前見ろな」
「むぅ」
明らかに納得していない様子で前を向くユウキに、やれやれとリョウは肩を竦めた。
「ま
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