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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
92話:経過
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ほど充実している。門閥貴族を中心に4000家が集結できたとしても、とてもではないが彼らに勝つことは難しいだろう。

「私も腐ってもフェザーン政府の補佐官です。閣下には及ばないでしょうが人を見る目は養って参りました。門閥貴族側に属するのは、良く言って自殺行為でしょう。より大きな火事を起こすという点でも賛成いたします。そこでご提案なのですが、同盟資本にはかなり浸透できていますし、伝手もございます。どうせなら門閥貴族と同盟を結び付けてはいかがでしょうか?鎮火のついでに銀河の統一までの流れが出来ることになります。どうせなら特大の花火もつけてみてはと思ったのですが......」

「補佐官、そちらの方も水面下で動いているから安心したまえ。狂信者のせいでフェザーン自治領主の地位はその輝きを失った。せいぜいそのツケを支払ってもらう意味で利用させてもらうつもりだ。危険な工作員も、証拠がなければ『有権者』であり『支持者』らしいからな。一部の権利を守るために市民全ての権利を危険にさらす訳だ。市民の同盟政府への不信を煽る材料にもなる。丁度良いだろう」

「差し出口をお許しください。私ごときが思いつくことは閣下のお考えの範疇でありましょう。失礼いたしました」

「構わない。俺が把握している情報と君が把握している情報には差がある。むしろそこに考え至ったのは補佐官としての面目躍如といった所だろう。引き続き励んでくれ」

そこで報告は終わり、執務室を後にする。今日の業務はここまでだ。自治領主公邸を後にして、歓楽街の一角に向かう。会員制クラブが立ち並ぶエリアで地上車をおりて、看板が無いある店のドアの前で指紋認証システムに手をかざし、ロックが解除されたことを確認してから入店する。

「あら、早かったのねルパート。もっとも貴方はこっちの遊びは好みじゃないものね。早速情報交換と行きましょう。将来、帝国軍の最重要参考人リストに載るような将来はご免こうむりたいもの」

「安心しろドミニク。自治領主閣下は新しい主にしばらくは従順でいるそうだ。落ちぶれた姿を見れるかと思ったがなかなかうまくはゆかないな。同盟の件もすでに手を回している様子だった。とは言えここまで大きな火事になると鎮火も容易ではないだろうがな」

ドミニクは愛飲している『レオ』を口に含み、香りを楽しんでから

「あら、ボルテック氏が何をしているか?詳細を確認していないのかしら?彼が担当しているのは同盟領内でのリューデリッツ伯の資金運用よ。すでに30年近く前から資金を投下しているの。私も詳細は知らないけど、とんでもない金額になっているのは間違いないでしょうね」

「そんな馬鹿な。帝国貴族が同盟に投資するなど、利敵行為じゃないのか?そもそも30年前からこんな政局を見据えて動いていたとでもいうのか?」


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