暁 〜小説投稿サイト〜
デジモンアドベンチャー Miracle Light
第33話:街のエリア
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えよ」

「嘘だな、本当に何もないならどうして俺と目を合わせない。お前はしっかりと相手に目を合わせて話すだろうが…何があった?」

キツい口調だが太一を案じているのが分かる。

一番太一に近い立場のヤマトだからこそ太一も話す気になったのかもしれない。

「そうだなあ…大輔もブイモンも知ってるようだし、何時かみんな知るかもな…分かった、話すよ。ヒカリは…昔風邪を悪化させて死にかけたことがあるんだ……俺のせいでな」

「は?」

太一がヤマトに、大輔が空とミミにした話では、当時小学2年生だった太一がある日風邪で休んでいたヒカリが元気になったと勘違いして軽率にも外へ連れ出してしまった。

その結果、ヒカリは風邪をぶり返して、高熱を出して倒れてしまい救急車で病院へ搬送されてしまい、生死の境を彷徨うことになったことがあると言う。

そして退院した時に、太一に謝り、ヒカリにその気はなくてもその優しさが逆に当時幼い太一の心に傷を残してしまうことになる。

自分の軽率な行動で死ぬかもしれなかったのに。

本来なら恨まれても仕方がなかったのに。

ヒカリは申し訳なさそうに太一に謝ってきたのだ。

あの時程、太一は自分が情けなく惨めに思ったことはなかった。

「とまあ、太一さんがヒカリちゃんに対して過保護なのはそれが原因なんです。俺もおばさんから聞いた話なんですけど……」

裕子もあの時の太一の年齢を思い返し、言い過ぎたと思っていたのか後悔していたような顔だった。

自分もそうだが、小学2年生は遊びたい盛りだし、細かいことに気を配れと言うのは少し酷な気がする。

「そうだったの……太一、大丈夫かしら」

ヒカリの風邪は微熱くらいなのだろうが、ヒカリの体調不良に気付かずにいた太一に当時の自分を思い出させたのかもしれない。

そして一方…。

「大輔が気付いてくれなかったら、あいつはきっと黙ってた。いつも人の事ばっか考えて、自分が辛いとか苦しいとか絶対に最後まで言わないんだ。本当なら俺が一番あいつを見てやらないといけなかったのに…悪いなヤマト。俺…お前を笑えねえよな…いや笑う資格もない、お前は何時だってタケルを見守ってたのに俺は見守るどころか…あいつの不調に気付けなくて…」

「もういい、止めろ。悪かった……最近な…タケルが俺の手を借りずに何かをしようとするようになったんだ。手伝おうとしても“自分だけでも出来る”って…」

「寂しいか?」

「まあな…もしかしたらあのことを聞かれてたのかもしれないな…」

「聞かれてたって…何だよ?」

「ああ、何でもない。太一…難しいな、見守るってのは…あいつが今の俺くらいになるまでは…出来るだけ守ってやりたかったんだけどな…」

「…そう、だな
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