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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
91話:苛政
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かな?見るべき所があればもちろん採用する旨も伝えて欲しい。イライラしながら戻ってくるのが目に見えるからね」

「承知しました。たしかに顔をしかめながら領内を調査しておりました。彼らも前向きな話に意識が向けば少しは気が晴れましょうな。物資の手配の件もありがとうございます。民心が落ち着くまでは十分な物量かと存じます。兵たちもしっかりと復興計画が動き出しているとなれば少しは気も晴れましょう。兵たちに変わりましてお礼申し上げます。では」

俺が敬礼すると、伯も答礼をされ、通信が終わった。正直に言えば、ホッとした気持ちがある。この惑星だけが、歴史の中でいう中世のような有り様だった。星間国家の『公爵家』の領地がそんなことになっているなど想像できなかった。領地の統治は領主の専権事項とは言え、命を懸けて守っている祖国にこんな一面があるなどやりきれない。おそらく伯の財布から予算が出ているのだろうが、手厚い復興予算がついている事だけが領民たちの慰めになるだろう。

通信室から司令室に戻ると、装甲擲弾兵を引き連れて押しかけるように参戦したオフレッサー大将が、少し沈んだ感じで佇んでいた。閣下を良く知らないものは、勇猛な戦士としての一面しか知らないが、身内には手厚い漢だし、戦場以外ではなにかと感じやすい部分もある。おそらく俺の懸念は的を得ているのだろう。

「おお!シェーンコップ男爵、リューデリッツ伯と通信していたとのことだが、復興計画は大丈夫なのか?さすがの俺でも、この状況を見るとな。装甲擲弾兵は命を懸けて帝国を守ってきたが、帝都のすぐそばでこんなことになっておるとはな。俺は少し悲しくなったし、部下どもも復興の役に立ちたいとのことだ。もうしばらく世話をかけるが、何かしら役に立ってから戻らねば寝ざめが悪いからな」

「閣下らしいお言葉ですな。一両日中に支援物資は届きますし、復興計画は用意してあります。土木機械が来るまでは間がありますし、小官も久しぶりに土木作業に参加しようと思いますが、ご一緒に如何です?」

「それはよい。筋力自慢が揃っておる事だし、部下も喜ぶであろう。それにしてもあっけないものだな。20年近く尚書職を務め、汚職を極めた人物とは言え仮にも『公爵家』が、いざとなれば領民の叛乱で自滅するとはな。陛下のご下命に背いた以上、『大逆犯』だが、当主と嫡男を筆頭に、領内にいた一族は領民に背かれて殺されてしまうとは......。実戦はほぼなかったに等しいし、領内の有り様を見るとなにやら虚しくなってしまった。男爵と任務を共にできた事がせめてもの救いだな......」

「閣下、私も似たような思いがありますが、伯からの連絡では、この惑星はディートリンデ皇女の化粧料となるそうです。皇女殿下の後見人として、その化粧料を『荒れ果てたままにはしておけぬ』とも仰っておら
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