第26話 激戦開幕! 喧嘩相手は未来からやってきた!? 1
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はちゃぶ台を囲む。
今日の夕食はご飯に味噌汁と、真ん中に大皿に盛りつけられた鶏肉のから揚げが置かれていた。
「今日は美智ちゃんが来るって言うからね。少し奮発しちゃったの」
「くぅぅ! から揚げたぁ泣かせるねぇ。丁度俺もこれ食いたかったんだよ」
「俺もこれ大好きだぜ! だって美味ぇしな」
「はいはい、美智ちゃんも遠慮しないで沢山食べてね。お替りもあるから」
「あ、はい! いただきます」
感謝の言葉を述べるなり、いきなり番と誠の箸が真ん中のから揚げに突き刺さる。
「あ! 兄ちゃんそれ俺が狙ってたやつだぞ!」
「うっせぃ! お前こそ俺の狙ってた奴取りやがって! お返しだお返し!」
「んなろぉ! こうなりゃ早い者勝ちだぁ!」
「望むところだ!」
二人して獲物を狩る目をから揚げへと向ける。食べ盛りの少年二人の前では大皿に盛られたから揚げなどあっと言う間に平らげられてしまうだろう。
「こらこら、二人とも落ち着きなさい。今日は美智ちゃんも来てるんだから、まずは美智ちゃんが食べてからよ」
「そうだったね。姉ちゃん取って良いよ」
「悪いな美智。俺腹減ってたもんでさ」
母にそう言われ、二人はすごすごと箸を下げる。それに合わせるように、はやてはから揚げを一つ摘まみ取り、恐る恐るそれを齧ってみた。
途端に、口の中に広がる濃厚でたんぱくな味わい。鶏肉とは違って身がしっかりしていて弾力もある。
「お、美味しい! これ凄い美味しいです!」
「あらそう? 美智ちゃんにそう言われると作った甲斐があるわぁ」
はやてに褒められて母親も何処か嬉しそうに頬を染めている。
その両隣では、次なる獲物を狙う二人の腹ペコが唸りを挙げていた。
「これ、何ていう肉なんですか? 鶏肉・・・とは違うみたいなんですけど。良く分からないなぁ」
元居た時代では炊事を担っているはやてだからこそ、この味は是非戻った後も再現したいと思っていた。
彼女の中の料理人(自称)の血がうずいている証拠だ。
そんな彼女の問いに、何の悪びれる様子もなく番が答えてくれた。
「あぁ、そいつは【野鼠】のから揚げだよ。こないだ俺と誠がとっ捕まえたのをバラして揚げた奴な」
「・・・・・・・・・・・・・・・へ?」
一瞬、はやては情報を取り込む行為を拒否した。続いて、響いてくるのは番の言った言葉だった。
野鼠のから揚げ。そう、確かに番はそう言ってのけた。
と言う事は・・・今自分が美味いと太鼓判を押したこれは鶏肉ではなくて、野鼠のから揚げだという事になるのではーーー
「今回のネズミはでっぷり太ってて美味そうだったよなぁ」
「あぁ、この時期になると冬に備えてネズミどもでっぷりと太り始めるからなぁ。その分肉も増えて大助
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