暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 11
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払って接するべき立場の人間。次期大司教の補佐如きが出迎えるのは失礼に当たってしまう為、少し離れた位置で成り行きを見守るのが今のミートリッテの役割だ。
 「ようこそ、中央教会へ」
 「ご無沙汰しております、プリシラ次期大司教。アルスエルナ王国の第三王子・ヴェルディッヒ=セーウル=ド=アルスヴァリエ、並びに私付きの第三騎士団所属、第一から第四隊の計四十名。勅令により、聖職者の衣をお借りして馳せ参じました」
 丁寧に腰を折るプリシラに対し、左手を胸に当てて軽く頭を下げる真っ白な長衣姿のセーウル殿下。
 ミートリッテからは見えないが、廊下に整列した各隊の面々もセーウル殿下と同様の格好で深々と腰を曲げて礼を執っている。
 「皆様、どうぞお顔を上げてお入りくださいませ」
 「皆、礼に欠けた振る舞いは見せぬように」
 「「「「はっ!」」」」
 一歩下がったプリシラが体の正面をずらし、左腕を執務室の内側へと広げて団体客を招き入れる。
 セーウル殿下の後に続く男性が、更にその後に続く三十九名の男女混合隊に声を掛け、全員が執務室内に収まったところで、団体客の背後に回ったミートリッテが扉を閉めた。
 広いと言っても、所詮は一間の仕事部屋。四十人以上が座れる椅子などは当然無く、窮屈さを感じさせながらも、皆机の前に整然と並び立つ。
 「突然の勅令、皆様には大変驚かれたことと思います。時間もございませんので、率直に申し上げましょう。今回の件、中央教会から正式な手順で国王陛下にご助力を歎願致しました。ただいま教会は百合根感謝の日の準備中で、人手がどれだけあっても足りない状況です。其方も警備等でお忙しい事は重々承知の上で、何卒、都民の為、国民の為に、皆様のお力を拝借願えませんでしょうか?」
 バルコニーを背負って立つプリシラが、胸元のペンダントに両手を添えて恭しく頭を下げる。
 「承知しました。我ら騎士団、王国を護る剣であり盾。お役に立てるよう、尽力致します。何なりとお申し付けください」
 「皆様の誠意に、心よりの敬意と感謝を。皆様に女神アリアの祝福が舞い降りますように」
 「「「「「ありがとうございます」」」」」
 「では、セーウル殿下。此方をお受け取りください。予め纏めておいた行動表です。人員の振り分け等は殿下の判断でお願いいたします」
 「拝見します」
 机の上に置かれていた紙をプリシラから受け取ったセーウル殿下は、彼の斜め後ろで控えていた男性と一緒に細事を確認した後、あっという間に配置を決定。速やかに行動を開始した。
 波が引くように次々と荷物を持って退室して行く聖職者姿の騎士達。
 各隊員を総て送り出し、最後に残ったのは、セーウル殿下と、騎士達に直接指示を飛ばしていた男性、プリシラ次期大司教とミートリッテの四人だ。
 廊下と繋がる扉がしっ
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