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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第22話:奇跡の反撃
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「私はただでは死なん!!貴様らの大切な物を奪ってやる!!ナイトレイド!!」
「しまった…ヒカリちゃん逃げろおおおお!!」
大輔が叫ぶが、あまりにも遅過ぎた。
ヴァンデモンが悪足掻きとばかりに召喚した蝙蝠はヒカリに凄まじい勢いで迫る。
テイルモンが立ち上がって盾になろうとするが、盾代わりにさえならないだろう。
サジタリモンのスピードを持ってしても間に合わない。
誰もが最悪の未来を予想したが…。
「「「「っ!!」」」」
大輔、ヒカリ、サジタリモン、テイルモンは目を見開いた。
ウィザーモンが傷だらけの体とは思えないくらいの動きでヒカリとテイルモンの前に立ち、2人をその身で守ったのだ。
「ぐっ…己、雑魚が…邪魔しおって……」
痛みに顔を顰めながらウィザーモンを侮辱するヴァンデモだが、しかし今の大輔達にそんな言葉は届かない。
「ウィザーモン!!」
テイルモンが体を引き摺ってウィザーモンに向かうと、ヒカリもまたウィザーモンに駆け寄る。
「ウィザーモン、死んじゃ駄目!」
呼びかけられたウィザーモンは、ゆっくりと目を開け、テイルモンの無事な姿を認めると安堵に満ちた表情になる。
「無事か、テイルモン……」
「ウィザーモン、すまない……こんなことに巻き込んで……」
耳を垂らして、テイルモンは懺悔した。
自分があの時ウィザーモンに声を掛けていなければ、ウィザーモンはこんなことはなかった。
自分の勝手な都合でウィザーモンを振り回したりしなければ、彼は命を落とすことはなかった。
果てしない罪悪感に苛まれるテイルモンにウィザーモンは微笑んだ。
「いいんだ…君に会わなかったら、私は意味のない命を長らえただけ…君に会えて…良かった…大輔、サジタリモン…私の代わりにテイルモンを…頼む…私の代わりに支えてやって欲しい…」
「ウィザーモン…」
「馬鹿なことを言うな!俺達に頼むくらいなら…自分でテイルモンを支えろよ!これからも!!」
「…ふふ、そうだな…出来れば…そう、したか…った…」
サジタリモンの叫びにウィザーモンは少しだけ未練が残ったような笑みを浮かべて目を閉ざした。
もう、開かれることはない…永遠に。
残されたのは、行き場のない悲しみだけだった。
「いや……ウィザーモン……いやあああああっ!!」
ヒカリは涙を流しながら叫んだ。
心の扉の鍵を壊し、その奥底の激情を吐き出すように。
「ゆ、許さねえ…許さねえぞ…よくも…よくも…!!このクソ野郎…!!」
大輔は目に涙を滲ませながら拳を握り締め、皮膚に爪が食い込み、血が流れても力を抜かなかった。
まるで自分の不甲斐なさを恨むように。
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