第十幕その五
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「私にとっては全然違うし」
「ピンチじゃないのね」
「他の人から見てピンチでも」
エリカにとってはです。
「私にとっては只のイベントよ」
「平気なのね」
「だってあのウィンキーにいた片目の魔女も」
ドロシーが最初にオズの国に来た時の最大のピンチと言ってもよかったです、本当にこの時はどうなるかでした。
「見ていればすぐにわかるし」
「お水が苦手だって」
「そうよ、傍に何故お水がないか」
そのことをというのです。
「普通生きていたらお水が絶対に必要なのにね」
「傍にお水がないなら」
「すぐにわかるしカリダだってね」
この猛獣もというのです。
「あの獣小回り利かないし大き過ぎて木にも登れないから」
「木から木に逃げるの」
「それで平気じゃない。そもそもオズの国は誰も死なないのよ」
「それならなの」
「その時点で心配無用だし」
このことがあるからだというのです。
「何の心配もいらないわよ」
「誰も絶対に死なないなら」
「そうよ、それで何心配が必要なのよ」
「ピンチもなの」
「ピンチじゃないわよ」
全く、というのです。
「だから私は何があってもね」
「楽観してるの」
「そうよ、じゃあね」
「猫の国のことでも」
「何があっても平気よ、じゃあ明日猫の国に行ってみて」
それでというのです。
「試しに何匹来ているか見てみるわ」
「そうするのね」
「そうね、十匹来ていればいいわね」
「十匹でなの」
「まあ最初はそんなものでしょ。一匹もいなくてもね」
例えそうでもというのです。
「気長にね」
「待っていればいいのね」
「そうよ、ゆっくりとね」
こう言うのでした。
「そうしていればいいのよ」
「本当に焦らないわね」
「焦る時は焦るけれど」
それでもというのです。
「今はそんな時じゃないから」
「焦らないのね」
「全然ね」
そう言いつつ丸くなります、明らかに寝る動作です。
「そうよ、じゃあ今からね」
「寝るのね」
「お昼御飯まで少し時間があるから」
「それまで寝るのね」
「ええ、そうしてね」
「お昼になったら食べるのね」
「お昼はオマール海老がいいわ」
この海老を食べたいというのです。
「茹でたのとフライね」
「その二つをなの」
「食べたいわ」
こう言うのでした。
「お昼はね」
「そうなのね」
「贅沢にいきましょう」
是非にとも言うのでした。
「そうしましょう」
「オマール海老はオズの国では贅沢かな」
「別にだよね」
臆病ライオンも腹ペコタイガーもここで言いました。
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