暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第267話 見せちゃった秘匿
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豊富な表情、そして受け答えの自然さとその豊富な知識。女性陣を手玉に取るという荒業。……そして何より、あまり視ないようにはしていたのだが、好奇心に負けて少しだけ彼女をリュウキは視た。その数値が膨大な量、そしてそれに見合う処理速度を持って、彼女を構成していた。それはかつて、ユイを見たときのそれに酷似していたからこそ、性格は明らかに違うのだがユイを連想させたのだ。

「はい。リュウキ君の言う通りです。彼女はメンタルヘルスカウンセリングプログラムシリーズのプロトタイプとなっていました。……プログラムと称するのは私も聊か抵抗がありますが、言うならばユイちゃんの前身、原型ともいえる存在です。そして自己学習機能、処理能力がどのプログラムよりも群を抜いていて、あの旧アインクラッド……SAO時代の記録、人々の記録。その無限とも思える膨大な様々なデータを内包している前代未聞のプログラムです。アインクラッド、カーディナルが崩壊したというのに、彼女は今も存在し続ける事が出来ているのですから」
「そう。……成程、経験豊富な知識を持ってるわけだよ。……それで、彼女はこの世界を巡ってる、って事で良いのかな? ザ・シードを、……宇宙とも言えるこの世界を自由自在に」

 クエストが終えてひと悶着があった後に、彼女は姿を消した。
 文句が言いたい! と言うわけで追いかけようとしたが、まるで捕まらず、ユイでも無理だった。
 
 それだけでリュウキは連想させたのだ。ALO内だけに収まる様な事はない、と。あの天真爛漫な性格? から考えても 同じ場所に留まり続けるのは性に合わないとも思える。

「おそらくは、と言えましょう。試作の段階。そのクエストのテストプレイを行ってる最中に彼女と会えたのも偶然でしょう」
「その偶然であそこまで合わせるなんて、ほんと順応し過ぎでしょ……。いろいろと皆が振り回されて大変だった様だしさ」

 アドリブの聞いたやり取りの数々。それはまるでプレイヤーそのもの。実際にアバター操作している人間がいても不思議じゃない、とリュウキも舌を巻く程だったから。
 
「皆が振り回された、と言うのは リュウキ君が鈍感さんなのも起因してますよ? レイナちゃんも膨れてたのでしょう?」
「ぅ……そ、それは やっぱり難しくて……。一番、難しくて……」
「もう、しっかりしないとダメですよ?」
「……はい。善処します」
「ふふ。よろしい」


 聞きたい事も終えて、暫く3人で仕事関係を交えつつ談笑した後、シィは 視界の左隅にある時刻を見た。

「申し訳ありません。時間が来てしまいましたので、私はこれで」
「了解しました。今日はありがとうございました。シィさん」

 リュウキはすっと頭を下げると、その隣にジンもきた。

「私からも。……本日はどうも
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