390部分:第二十五話 花咲く命その六
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第二十五話 花咲く命その六
「それは上から見てもです」
「非常に美しい」
「そうなのですね」
「それが鉄の翼によって行われる」
「そうなると」
「私もまた」
そしてだ。王もなのだった。
「そうしてアルプスを見たいものです」
「それも芸術でしょうか」
「そうなのでしょうか」
「そうですね。芸術になりますね」
王は見ることもだ。そうだと話した。
「そうした意味で。科学は芸術をも華やかにします」
「古風一辺倒ではないのですか」
「そうしたことないのですね」
「よいものは護られるべきです」
それはだ。いいというのだ。
「しかしそれは」
「それはですね」
「そしてよいものは取り入れられるべきです」
芸術においてもだ。そうだというのだ。実際に王は人工の庭園を持っている。そこには南欧やオリエントの世界が存在している。
「是非共」
「そして芸術が華やかになり」
「その芸術で」
「芸術、ひいては文化」
そうしたものでだというのだ。
「ドイツは統一されるべきです」
「そしてミュンヘンが芸術の都になる」
「このバイエルンが」
「そうなるべきです」
王は言ったのだった。
「私はそれを願います」
「だからこそですか」
「この町にワーグナー氏の歌劇場をですか」
「それを築かれたいのですね」
「戦いが生み出すものは僅かです」
王は戦いを好まない。それはどうしてもだった。
「しかし芸術が生み出すものは」
「非常に大きい」
「戦争の破壊と比べて」
「芸術は創造ですか」
「創造。ドイツの芸術の創造」
王はまた話す。
「必ずそうなります」
「では陛下」
「ワーグナー氏に是非」
「そう言われますか」
「一度ワーグナーとも話をしましょう」
ミュンヘンに歌劇場、彼の作品の為のそれを築く。それをだというのだ。
「そしてです」
「決められますね」
「正式に」
「そうしましょう」
そうするとだ。王も言う。
「是非共」
「ミュンヘンが芸術の都になるのですか」
「それが陛下の夢ですか」
「ミュンヘン、そしてバイエルン」
ミュンヘンを中心として。国全体がであった。
「この国全体がです」
「芸術の国になる」
「ドイツの芸術の中心に」
「音楽はウィーン」
王はこの国の話もした。
「そして政治はベルリン」
「そして芸術はミュンヘン」
「そうなりますか」
「ローマは武力だけではありませんでした」
これはその通りである。ローマは武力で欧州を統一し法律、そして宗教とだ。欧州を三度統一している。しかしその三つだけではないのだ。
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