第三章〜新海都繚乱〜 外伝〜戦の鼓動〜
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エレボニア帝国・東部クロイツェン州、旧公都ロンテグリフ―――――
〜”四大名門”アルバレア侯爵家館・”当主”執務室〜
エレボニア帝国の東部――――”クロイツェン州”。七日戦役の和解条約によって広大な領土の凡そ8割をメンフィル帝国に譲渡されたことで、僅か2割の領土を統括している”アルバレア侯爵家”の当主にして旧Z組のメンバーの一人――――ユーシス・アルバレアは端末である人物からの報告を受けていた。
「―――そうか。ログナー侯も欠席されるとは。”四大”から当主が出席するのは俺とそちらの家だけになりそうだな?」
「ああ、因果なことにね。ログナー侯も義理堅いというか不器用でいらっしゃるというか………1年半前の内戦後の謹慎をいまだ続けていらっしゃるとはな。」
「武闘派として兵を率いた身では慎重になるのも仕方あるまい。ましてや1年半前の内戦はレン皇女殿下とセシリア将軍閣下が考えた策によって内戦の終盤は所属は違えど、同じ領邦軍の兵達の命を奪ったからな。………1年半前の内戦で上手く立ち回ったように見えて、肝心な事には気づかずに呆気なく”戦死”した”総参謀”にも見習わせたい程の謙虚さと思うがな。」
「ユーシス………」
亡き兄の事を思い返しているユーシスの様子をユーシスの通信相手――――トールズ本校の卒業生で”ハイアームズ侯爵家”の三男であるパトリック・ハイアームズは心配そうな表情を浮かべた。
「フッ、ただの愚痴だ。ところで………”バラッド侯”とはどんな人物だ?」
「ハッ………噂通りの人物さ。――――ただ愚かで強欲ながら己の益には恐ろしく聡く、抜け目ない。どう会議を引っ掻き回してくれるか”世話役”として今から頭が痛くてね。」
「フフ………お前のお父上、ハイアームズ候がいらっしゃるなら少しは安心できるだろう。あの方ならば滅多なことで後れを取ったりはしないはずだ。」
「そうか………まあ父上のバランス感覚は大したものだと思うが。―――――しかし、サザ―ラントに続いて”三帝国交流会”が行われたクロスベルでも”事件”が起きている。どんな不測の事態が起こるかわからない。せいぜい君も気を付けてきたまえ。」
「フッ、言われるまでもない。頼みにできそうな面々の当てもあることだしな。」
「そういえば第Uの演習とちょうど時期が重なるようだが………――――まあいい。個人的にも楽しみにさせてもらうとしよう。かつてのT組のライバルの結束をね。」
ユーシスがパトリックとの通信を終えると扉がノックされた。
「―――ユーシス様。約束の方が見えられましたがどうされますか?」
「ああ、構わん。そのまま通してくれ。」
「はい。――どうぞ中へ。」
「あはは、ありがとー。」
ユーシスの許可
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