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SAO−銀ノ月−
「そう驚いていただけると、わたしも非常に嬉しいです」
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な早口言葉みたいなん言えるのか……?」

「そこは慣れですねー」

「え……エッグ、ばっバルパ……エイン、ブランドー……ムスピーリ!」

 システムウインドウに表示された文字をつっかえつつ丸読みしながらも、ガーネットはどうにかその掌から魔法を発射する。唱えた魔法は誘導つきの爆裂火炎弾であり、発射された火炎弾は空中をカーブするように曲がりつつ、ガーネットたちを視認しつつ旋回していたグリフォンに炸裂した。

「お……おお! すげぇ!」

「すごいです」

「アタシ魔法使いになるわ! 確か……っと」

 今の今までさっぱり倒せなかったグリフォンを一撃の元に葬り去ったことに気をよくして、ガーネットは一瞬で魔法使いへの転職を決意する。大剣をストレージにしまう代わりに、何やら違うクエストの報酬で手に入れていたらしい魔法使い用の杖を装備すると、プレミアが興味津々といった様子で近づいていって。

「うらやましいです。わたしは『まほう』が使えないので」

「え、そうなのか? なら、アタシも魔法なら役に立てるかもな……っし、余ってたポイント全部を魔法に……」

「見えてきましたよ!」

 そうして細々とした戦闘を数回こなした後、ガーネットが何に使うか分からなかったスキルポイントを全て魔法関係に振るとともに、目的のクエストが眠る町《ホルンカ》へとたどり着いた。小さな町だが宿屋や食堂など一通りのものが揃っていて、初心者を卒業してアインクラッドデビューしたプレイヤーたちの簡単な拠点になっているらしく、ちらほらとその姿が見える。

「じゃあクエスト受けてくるから、ちょっと待っててくれ」

 他のプレイヤーにビクビクしつつも、ガーネットはクエストが民家へと入っていく。パーティは組んでいるものの、一人用のクエストであるために受注するのはガーネットのみだ。待つことしばし、気合い充分といった様子のガーネットが家から出てきて。

「どうでしたか?」

「うん。クエストは受けられた。早くいかなきゃな!」

 いわく。この民家の娘が病気にさいなまれており、特効薬の材料は森の奥に潜むモンスターの実なのだという。代わりにその実を取ってくるという分かりやすいクエストだが、病気の少女という存在からガーネットのやる気は充分で。すぐさま補助コントローラーを使って飛翔していき、その実をつけたモンスターの群生地へと赴いた。

「ああそれと、気になったんだけど。ナビゲーション・ピクシーってことは、ユイさんってNPC……なんだよな?」

「そうですね。他のNPCとは違いますが、AIではあります」

「はー、話してて人間と全く変わらないけど。最近話題のエルフ? もそうらしいし、最近のゲームって凄いんだな……」

 そうして飛んでいく最中、ガー
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