「そう驚いていただけると、わたしも非常に嬉しいです」
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カセで言ったものだったが、もちろん初心者であるガーネットが一人でクリア出来るわけもなく。そもそもこの浮遊城にも友達に連れてきてもらったので、初心者支援をしているサラマンダー領にも戻れず、せめて装備だけでもとこの武具店に来たがそれも空回りと。
「はぁ……妖精になって気持ちよく空を飛べるゲームだって聞いてたのに……もう辞めようかな……」
全て自身の短気でうっかりとした性格によるものだというのが、ガーネットは余計に腹が立って――小さく、そんな言葉を呟いてしまう。
「ダメです」
その呟きをプレミアは聞き逃すことはなく、コーヒーカップを置いたガーネットの手を強く握りだした。
「な、なんだよいきなり!」
「この世界はいいところです。わたしは、この世界が好きです。ガーネットにもそうであって欲しい。どうすればいいですか?」
「どうすればって……」
「では、わたしたちがそのクエストを少し手伝うというのはいかがでしょうか?」
プレミアの熱弁と眼差しに耐えられずに目を逸らしたガーネットだったが、目を逸らした先ではユイが手を叩くとともに提案を申し出てきていた。をガーネットがクエストをクリアさえすれば友達の元に戻って共に遊べて、この世界のことを好きになってくれるはずだと、プレミアもユイの考えに拍手をして。
「え、いや、ちょっ……」
「流石はユイ。名案です」
「いえいえ。調べたところ、あまり危険はないクエストのようですし、わたしたちならきっと出来ます!」
「……あーもう! 一人でやらなきゃ意味ないんだっての!」
「残念ですが、それは無理だと思います」
「ぐぅ……」
当事者であるにもかかわらず話に置いていかれたガーネットは、二人で盛り上がる少女たちに拒否するものの、あいにくとクエストを調べていたユイにバッサリと断言されてしまう。……とはいえ自分一人でクリア出来ないことは、ガーネット自身もよく分かっていて言葉を詰まらせる。
「ガーネット。一緒に行きましょう」
「……おねがいします……」
結局は二人の少女の押しに負け、ガーネットはプレミアの手をとることとなった。
「だけどさ、疑うわけじゃないけど……あんたら戦えるのか?」
「わたしは残念ながら、ナビゲーション・ピクシーですので……戦うことは出来ません」
「え!? ナビゲーション・ピクシー……ってアレだろ、上級者しか持ってないやつ! じゃああんた凄いプレイヤーなんだな……!」
とはいえ二人の申し出を受けたとはいえ、ガーネットの目の前にいるのは二人あわせて自分の背丈ほどの子供で。端から見ればガーネットが子守りをするようなものだろうと、少し疑り深い目でプレミアたちを見るが、その視線はすぐに尊敬の眼差し
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