「そう驚いていただけると、わたしも非常に嬉しいです」
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自然とお客様の都合を聞く流れになってしまい、ダイシー・カフェの一部スペースを間借りして、お客様を囲むようにした会話が始まった。ショウキが最近また作り始めたコーヒーを、プレミアはユイとお客様のを含めて三人分、ミルクに砂糖とともに出していく。
「あ、美味い……じゃなくて。とりあえず、アタシの名前はガーネット。さっきは本当に悪かった……です」
「ガーネットさん、ですか。どうしてあんなことをしたんですか?」
「え? だってこのゲーム、殺しあいが基本の殺伐としたゲームだから、舐められないように強気でいけって……友達に言われて……でも冷静に考えたら、そんなわけないなーって……」
言葉が続いていくごとにどんどんとガーネットの調子が低くなっていき、心なしか身体が縮こまっていく。友達とやらから恐らくは冗談でそんなことを言われ、本当かどうか店の前で迷っているうちに、プレミアに店内に入れられたということらしい。
「いえ、ガーネット。気にしないでください。誰でも通る道です」
「いやいや! アタシが悪いだけだからよ! 友達も、初心者のアタシにこんないい装備くれるくらいイイ奴なんだぜ!」
初めて上から目線でアドバイスが出来るという経験が新鮮なのか、プレミアは特に気にした様子もない。ただしガーネットは冗談を吹き込んだ友達とやらでもなく、あくまで自分が悪いのだと装備を見せつつ主張する。悪い人じゃないみたいです、とユイはミルクましましのコーヒーを飲みつつ思う。
ついでに、確かに見たこともないレアな装備品であるが、肌を隠す部分がサラシとホットパンツだけと、随分と露出度が高いものだが。
「『友達』というのは素晴らしいです。わたしもユイやアルゴにはいつも助けられています」
「え、ええと、そのお友達はどうしたんですか?」
「それが……ケンカしちゃって」
プレミアの裏表ない感謝の言葉に、ユイが照れ隠しに話題を変えた時。その友達について、ガーネットがとつとつと語り出した。
このゲームを始めて意気揚々とサラマンダー領から出たはいいものの、当然ながら右も左も分からずに。そこをその『友達』に助けられ、装備を貰ったり冗談も込みで様々なことを教えてもらったものの、あるクエスト中にケンカ別れをしてしまったそうで。
「クエストで足手まといになっちまってよ」
もちろん初心者であるガーネットがミスをするのは当たり前であり、その友達はガーネットのミスを勘定に入れつつクエストを遊んでいたわけだが、何度もミスを繰り返すガーネット自体が自分を許せなくなってしまい。
「あるクエストをクリアしてくるまで一緒に戦えねぇ! なんて……啖呵をきっちゃって……」
ガーネットの声がどんどんと萎んでいく。そのクエストは口からデマ
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