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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
決意の瞬間
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あ、そうなりますが……倒せますか、一輝さんを?」
「考えなしにやった場合は、確実に無理」

十六夜、即答である。

「断言してしまうほど、ですか」
「別に、俺が言わなくても黒ウサギなら分かってるだろ。鬼道一輝、って人間が持ってるギフトと身体能力はそれだけのものだ」

返しながら、頭の中に彼のギフトを並べる。話の流れが確定しているため、黒ウサギも同様のことを行った。

「まず、身体能力。破壊力ならウチのコミュニティでは俺が一番上だし、単純な総合ステータスだけなら一輝にも勝てるだろうよ。一輝のそれは、人間としては最上クラスでもそこまでのものだ」
「ですが、彼はそれを補助できるだけのものを持っている」
「ああ。陰陽術による身体能力の総合的向上、あれの倍率は控えめに言っておかしいレベルだ。そして無理なドーピングかと思えば、それに耐えられるところまでは鍛えてるしな」
「もしそれがなかったとしても、檻の中にいる異形の力を自らに上書きすることもできれば、そのまま書き換えることもできます。人間が保有しているはずの身体能力という弱点は、つくことができませんね」
「オマケに耀のギフトでやれることだって、一輝はほぼ全部やれるだろ。接触によるサンプリングと封印による獲得って違いはあるが、結果は近似的なものになる」

保有する動物、幻獣のデータをサンプリングしていき、それらを自らの体へ模倣する。あるいはネックレスを媒介として武装へと変換する。ものすごく雑な纏めだが、これが春日部耀の保有するギフトである。もちろんこれも、最強種すら再現できる最高クラスのギフトではある。
しかし、外道・陰陽術に含まれる神成り、憑依、妖武装の三つもまたこれに近いことを行うことのできるギフトである。耀の保有するギフトとは違い檻の中にいる存在しか用いることはできないが、それでも蚩尤、アジ=ダカーハ、ユースティティアという三種類の神霊へなることが出来るのが現状だ。

「強いて言えば疑似神格を付与し軍勢を指揮する飛鳥のギフトは『強化する』って点において優位を獲れるだろう、が……」
「『言葉』を介した疑似神格の付与は長続きせず、そうでなくとも負担が大きすぎる。一輝さんを抑えうる軍勢、というのは難しいでしょうね……」

となれば、ギフトによって優位を獲得するという方針はそもそも取ることが出来ない。であるのならば、だ。

「取りうる方針はもう、そう多くない。ぱっと思いつくのは二つが精々だな」
「二つ、ですか」
「ああ。俺と、あともう一人同じだけの身体スペックを持ってるヤツとで一輝をぶちのめすか、あのギフトゲームを解き明かすか、だ」

即ち。多彩に過ぎる上に一個一個のレベルも高いギフトと馬鹿正直にぶつかるのではなく、接近戦に持ち込んで一気にすべて済ませてしまおう。ある
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