第十一話
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けますか?この場合それが一番早い。」
「わ、分かった……。」
「う、うむ……。」
敬語ではあるが凄みのあるカイムの言葉に押され二人は素直に許可証を差し出した。
カイムは二人の許可証を見比べた後、溜息をつきながら話を進めた。
「結論から言わせて貰えば両方とも本物です。」
「「なっ!?」」
「領主が同じ場所に出されたようですね、お二人の主張は両者共に正しい。故にお二人ではこれ以上どうしようもありません。無論自分にも。」
「ならどうすれば……。」
「元締めと話し合い決めてもらいましょう、ちょうど到着されたようです。」
そう言いながら大市の入り口に視線を向けるとそこにはケルディックの大市をまとめ上げているオットー元締めが向かってきていた。
「お久しぶりです、オットー元締め。」
「ああ、久しぶりだなカイム君。どうやら騒ぎが大きくなり過ぎる前に止めてくれたようで感謝するよ。」
「いえ、これも仕事の内です。」
「そう言ってもらえると助かるよ。実習の事は聞いている、この場は私が引き継ぐから君達は課題を続けなさい。このケルディックでの実習が君達のこれからの助けになると嬉しい。」
「ありがとうございます……ところで少しお願いが。」
「ん?何かね?」
「大した事ではないんですが……。」
オットー元締めの言葉にカイムは頭を下げ礼を言い少し頼みごとをして了承を貰った後、他のメンバーを促し大市から出て行った。
大市から出た所でカイムは伸びをしながら話し始めた。
「あー疲れた、やっぱああいうのは慣れんな。」
「はは、お疲れ様。」
「でも何というか、別人みたいだったわね。」
「これでも軍属なんでね、それに皇族の護衛だし。」
「それが何か関係あるのか?」
「ヒント1、≪リベールの異変≫前のオリヴァルト皇子。」
「……なんだろう、ちょっと納得しちゃった。」
「本当に大変だったよ、色々巻き込まれて変な技能ばっか覚える必要に迫られて……。」
「は、ははは……。」
≪リベールの異変≫が解決する前のオリヴァルト皇子は母親の立場が低い為に皇位継承権が無かった。
当時はあまり表には出ておらず名が知られていなかった為、あちこちを飛び回っておりそれによくつき合わされていたのだ。
その過程で始末書だの旅先の本物偽者多種類の書類やらなにやらを処理したり見てきたため、結果的にある程度育っていた鑑定眼がかなりのレベルになったのだ。
四人は当時を思い出し死んだ目で黒いオーラを纏いブツブツ言い始めたカイムを正気に戻し宿に戻っていった。
宿でレポートを進めながら休憩をしているとオットー
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