第十一話
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向かった。
「終わったぞ、って何だその顔。」
「いや、何だって言われても……。」
「まず攻撃をギリギリまで引きつけるのは安全じゃないわ。」
「しかも久しぶりとか言ってた割りに威力が凄い技出してたし……。」
「我々に嘘を言っていたのか?」
「そうか?同門の剣士も普通に使ってたんだがな。」
「どんな超人集団にいたのよあなたは……。」
アリサの例えにエリオットは同意するように頷き、リィンはカイム以外にも心当たりがあるため苦笑い、ラウラは「父上以外ならクラウスなら……しかし他の門下生となると……」などとぶつぶつ呟いていた。
手配魔獣の退治も終わり五人は帰路についていた。
道中は手配魔獣を倒してもらった代わりとしてカイム以外の四人が魔獣を倒しながら進む事になった。
元々前衛後衛がしっかり分かれ仲違いもしていないメンバーだったのでカイムに出番が回る事はなかったが、途中でラウラが少し不満げな視線をリィンに向けていたのがカイムは気がかりではあった。
そのまま順調にケルディックまで戻り、街の中に入ると大市の方で騒ぎが起きており何事かと見に行ってみれば二人の男性が今にも暴力沙汰になりそうな剣幕で言い争っていた。
「ふざけんなあ!! ここは俺の場所だ! ショバ代だってちゃんと払ってんだぞ!!」
「それはこちらの台詞だ! 許可証だって持っている! 君こそ嘘を言うんじゃない!」
内容を聞く限りどうやら店の場所取りを巡って言い争っているらしい。
どうやら両者共に同じ場所の許可証を持っているらしく、お互いに一歩も引いていなかった。
このままでは本当に殴りあいになりかねない為、カイムが割って入っていった。
「はいはい、二人とも冷静に。このままじゃ両方とも追い出されかねませんよ。」
「な……!」
「いきなりなんだね、君は!?」
「現所属はトールズ士官学院の学生ですがここは本来の役職で名乗らせてもらいます……エレボニア帝国軍第三機甲師団所属カイム・グレイス中尉です。領邦軍もしくは元締めが来るまで臨時で自分がこの場を仕切らせて頂きます。」
「て、帝国軍!?」
「そ、それにグレイスといえば……。」
カイムは国内では本人曰く無駄に有名である。
皇女の誘拐阻止に始まり≪帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件≫の解決に助力、その足でリベールに戻る遊撃士に連れられた後、オリヴァルト皇子と共に≪リベールの異変≫の解決にも一役かっているからだ。
正規軍という立場と本人の名前で萎縮した様子を見てカイムは二人の頭が冷えている内に話を進めた。
「お二人の間で起きた問題は先程の言い争いで理解しています。よろしければ許可証を見せて頂
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