第九幕その八
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「困ることあるの?」
「困ってはいないわ」
アンもそれは、でした。
「ただ、あまりにも自分勝手じゃないかしらってね」
「そうかしら」
「自覚ないのも貴女らしいけれど」
「じゃあアン今回の冒険で嫌な思いしたかしら」
「それはないけれど」
アンもそうで他の皆もそう言われると特にでした。
嫌な思いはしていません、それで特にエリカに反論しませんでした。それで何も言わないとエリカはまた言いました。
「じゃあいいでしょ、それじゃあね」
「グリンダさんが来たら」
「建国しましょう」
こう言ってでした、そしてです。
皆で朝御飯を食べました、その朝御飯が終わってすぐにでした。グリンダが空を飛ぶペガサス達に曳かれた馬車に乗ってきました。
そうしてです、エリカの地図を見て言いました。
「よく出来てるわね、これではね」
「もうすぐにだね」
「建国してもいいね」
「ええ、私の魔法でね」
それを使ってというのです。
「国を造るわね」
「そうするね」
「これからそうするんだね」
「ええ、そうさせてもらうわ」
かかしと樵に答えました。
「是非ね」
「じゃアお願いするわね」
エリカも言ってきました、そしてグリンダは魔法のステッキを一閃させてそうしてエリカが描いた地図をそのまま国に造りました。ですが。
グリンダは建国してです、こう言いました。
「ここからが問題よ」
「何が問題なの?」
「国民が来るかどうかよ」
こうエリカに言うのでした。
「それ次第よ」
「そんなの何でもないわよ」
エリカはグリンダにあっさりと返しました。
「気にすることじゃないじゃない」
「そうなのかしら」
「ええ、そんなの私にかかればね」
それこそというのです。
「何でもないわよ」
「そうかしら」
「そう、私の手にかかれば」
「貴女ならなの」
「普通にね」
「国民の人達が来るわ」
「そうなるから」
だからと言うのでした。
「貴女も安心していいわ」
「それじゃあ見せてもらうわね」
「ええ、見ていることよ」
エリカはこう言いますがグリンダも不安です、そしてそれはです。
他の皆もです、こう言ったのでした。
「一番肝心なことよね」
「うん、どんな素晴らしいお皿でもね」
「その上にご馳走がないと意味がないよ」
臆病ライオンと腹ペコタイガーがアンに応えました。
「この国だってね」
「中に国民の人達もいないとね」
「そうよね、これじゃあね」
アンはその素晴らしい国を見ます、猫のサイズに合わせた見事な街です。
ですがそれでもです、こう言ったのでした。
「まさに豪華なお皿でしかないわ」
「お皿はお皿でいいけれど」
「国なら国民の人達がいないとね」
かかしと樵も言います。
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