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永遠の謎
384部分:第二十四話 私の誠意その二十二

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第二十四話 私の誠意その二十二

「あちらの世でも王になられます」
「そうなのですか。あの方は」
「そうして王であられ続けるのですね」
「二つの世で」
 周りの者達も言う。そうしてだった。
 皇后は遠くに目をやり。今度の言葉は。
「ではまた」
「はい、出発ですね」
「今度はどちらに」
「何処にしましょうか」
 問われるとだ。要領を得ない返答だった。
「それは気の赴くままにします」
「では。今もですね」
「右にでしょうか」
「それとも左に」
 丁度目の前の道は二つに別れていた。どちらかに行かなければならない。
 その二つの道を見てだ。皇后は周りに尋ねた。
「どちらに何があるでしょうか」
「右には森があり」
 まずは右の道について返答が来た。
「そして左は湖です」
「森と湖ですか」
「ではどちらにされますか」
「青に」
 こう答える皇后だった。
「そちらに」
「では湖ですね」
「そちらに行かれますね」
「はい、青に」
 湖とはあえて言わずだ。色で言う皇后だった。
 こう言ってだ。そのうえでだった。
 その左にある湖、まだ見ていないそれを目に見つつだ。皇后はまた述べた。
「バイエルンの青に」
「その青ですか」
「バイエルンの青」
「それに」
「青はいい色です」
 生まれた国の色でもある。皇后にとっては。
「黄金もいいですが」
「青もですね」
「お好きですね」
「はい」
 黄金はハプスブルク家の色だ。そしてそれと共にバイエルン王が愛している色の一つである。王は青と黄金、そして白銀を好んでいるのだ。
 その青を見つつ。さらにだった。
「では今から」
「青にですね」
「そちらに向かい」
「青を見ます」
 こう言ってなのだった。彼等は。
 前に進みはじめる。王のことを気にかけながら。彼女は今は旅をするのだった。


第二十四話   完


              2011・6・29

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