第6章:束の間の期間
第181話「これからの事」
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に優輝は言う。
それに対し、鈴は驚き、目を見開いていた。
「ちょっと貸して!」
「え、あっ……!」
奪い取るように鈴はその二枚の型紙を確かめる。
その様子に、司は驚いたような声を上げる。
「……悪路王」
『言わんとしている事は分かる。……吾から見ても同意見だ』
「じゃあ……間違いなく……!」
鈴と感覚を共有して言う悪路王も、それを見て鈴が思っている事と同じだと言う。
「え、何、どうしたの?」
「……“縁”が残っているわ……!これなら……!」
「まさか……」
司と奏も、鈴の様子に僅かな希望を見出す。
そして、そんな想いに答えるように、鈴は笑みを見せる。
「二人の再召喚が可能よ……!」
「「っ……!」」
その言葉に、司と奏も笑みを浮かべる。
優輝も、二人より反応が薄いものの、明らかにその事実に驚いていた。
「でも、どうして……」
「わからないわ……。でも、型紙も“縁”も残っているの。まるで、誰かが二人の死を望まず、帰ってくると願ったように、その通りに残っているの……!」
「望んで……願って……」
鈴にもわからない“縁”の残留。
だが、推測で述べられた言葉は、司にとって心当たりがあるものだった。
「……もしかして……!」
〈おそらくは。優輝様が倒れた時のあの祈りが原因かと〉
「心当たりがあるの?」
それは、優輝が精神的負荷によって倒れた時。
二人に帰ってきてほしいと、心から願った時の事。
「で、でも、あの時、あまり魔力を……」
しかし、それは本当にただの“祈り”でしかなかった。
天巫女の魔法として使った訳でなく、だからこそそれが原因だとは思わなかった。
〈……真髄の一端ですね。祈りの極致、それによる天巫女の力は、魔力をほとんど使用せずとも発動し、しかしながらささやかな希望を齎す……〉
「……じゃあ……」
「司さんの祈りで、二人が……?」
〈……おそらくは、ですが〉
推測でしかないシュラインの言葉。
だが、それでも司と奏、鈴にとっては嬉しいものだった。
「二人が……帰ってくる……?」
「そうだよ……そうなんだよ優輝君!」
「……そう、なのか……」
優輝も噛み締めるようにその言葉を呑み込み、安心した顔をする。
力が抜けたように、一瞬ふらつく。
「だ、大丈夫!?」
「……大丈夫だ。安心して力が抜けただけだ」
「そ、それならいいけど……」
一度倒れた事もあり、司と奏はふらついた優輝を心配する。
「……喜んでる所悪いけど、再召喚するには色々と準備が必要よ。貴方達、さすがに召喚の仕方は知らないでし
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