暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜西風の絶剣〜
第56話 リシャール大佐との決戦
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「例え力を合わせたとしても裏切者は必ず出る、だから私は人との絆より古代の兵器を選んだ。君が信じた物はあっけなく消え去ってしまったな」
「……そんな事はないわ」
「何?」


 あたしは痛む体に喝を入れて立ち上がった。


「確かにあなたが渡したこの写真はリート君達が怪しい事をしていた証拠なのかもしれない。さっきは思わず動揺してしまった……でもあたしはそれでもリート君達を信じるわ!」
「何を根拠に彼らを信じると言うのかね?」
「決まっているじゃない!あたし自身の直感を信じるのよ!」


 確かに怪しい所はあったしあの写真を見て動揺してしまったのは事実だ。
 でもヴァレリア湖で家族の事を楽しそうに話すリート君や孤児院の子達に親しまれていたフィル、そしておちゃらけていても大事なところであたし達を助けてくれたオリビエ……3人と過ごした思い出を思い出してあたしは3人が悪意や邪な考えを持ってあたし達に接触してきたなんて到底思えなかった。


「直観だと?そんな根拠のないもので他人を信じると言うのか?」
「馬鹿だって言われようとあたしはあたしが信じた物を信じぬく、自分が言った言葉を曲げたりなんてしない!」


 あたしはそう叫ぶと捻糸棍をリシャール大佐に目掛けて繰り出した。


「くっ……」


 リシャール大佐はそれを後方に跳んで回避する。


「その揺れることのない精神力には驚かせてもらった、だが君一人で何ができる?」
「悪いけどエステル一人じゃないよ」


 何かの軌跡が走ったかと思うとリシャール大佐の全身に切り傷が生まれた。


「今のは……」
「ごめん、エステル。回復するのに時間がかかった」
「ヨシュア……!」


 リシャール大佐を攻撃したのは、復活したヨシュアだった。


「エステル、君は本当にすごいよ。あそこまで他人を信じるなんてハッキリ言える人はそういない、僕も正直怪しいと思う事はあったけど君が彼らを信じるのなら僕も信じぬくよ」
「ヨシュア、ありがとう!」


 さっきまでの様子のおかしかったヨシュアではなく、あたしが知るいつものヨシュアがそこにいた。


「じゃあ次はクローゼ達を……」
「スパークダイン!」
「フレイムスマッシュ!」


 あたし達がクローゼ達を取り囲んでいた魔獣達の元に向かおうとすると、空から雷が落ちて魔獣達を直撃する。そして遅れて放たれた灼熱の一撃が魔獣達を大きく後退させた。


「エステル、ヨシュア。遅れてごめんなさいね」
「はっ、根性見せやがって。大したもんだ」
「シェラ姉、アガット!」


 魔獣達を攻撃したのはシェラ姉とアガットだった。さっきまでは頭を抱えて苦しそうだったけど、もう大丈夫なのか
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ