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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第56話 リシャール大佐との決戦
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くないと言えるかな?」
「嘘よ、こんなの信じられないわ……」
「ならばこれも見てみるがいい」


 リシャール大佐はもう一つ写真を投げつけてきた、それに写っていたのは何かを話すリート君とフィルとラウラさんとオリビエの姿だった。その光景はまるで密会をしているように見えた。


「これは……」
「それは彼らが何らかの情報を共有している時の光景を『偶然』映したものだ。君達に隠れてそんなことをしている人間が、果たして本当に怪しくないと言えるのかな?」


 あたしはもう訳が分からなくなっていた、だってリート君とフィルが猟兵でオリビエが帝国のスパイだったって急に言われたら訳が分かんなくなっちゃうわよ。


「お姉ちゃん!アガットさん達が!?」
「どうしたの!?」


 ティータの悲鳴が聞こえたのでそちらを見てみる、するとシェラ姉とアガットが頭を抱えて膝を付いていた。


「ぐっ、うう……」
「頭が、痛い……!?」
「シェラ姉!?アガット!?どうしたの!?」
「どうして、私は気が付けなかったの……!猟兵のリストを見て顔を知っていたのに……」
「俺としたことが……猟兵に気が付けなかったなんて……ぐぅ!?今になって思えば怪しい所はあったのにまるで頭に霧がかかったみたいに思い出せなかった……」


 二人はあたしの声が聞こえていないようで、何かを呟いていた。すると魔獣達が動けなくなった二人に向かって巨大なミサイルを発射する。


「ぐっ!?」


 そこにジンさんが割り込んで二人をミサイルから庇う。だが流石にジンさんも巨大なミサイルの直撃を受けて無事ではいられなかったようで、身体から黒い煙を立たせながら膝を付いた。


「ジンさん、今回復を……!」
「ク、クローゼさん……」


 ジンさんに回復アーツをかけようとしたクローゼだったが、ティータと共に魔獣達に囲まれてしまい動けなくなってしまった。


「クローゼ!ティータ!今助けるわ……」
「どこを見ている、敵はこちらにいるぞ」
「あっ……」


 隙を突かれたあたしは、リシャール大佐の放つ怒涛の攻撃をまともに受けてしまい血反吐を吐きながら膝を付いた。


「がはっ……!」
「安心したまえ、急所は外してある。恩あるカシウスさんの娘を殺すのは忍びないからね」
「ぐっ……」


 あたしはリシャール大佐を睨みつけるが状況は明らかにこちら側が劣勢だ。
 ヨシュア、シェラ姉、アガットは原因不明の頭痛で動けなくなるしジンさんは負傷した、クローゼとティータも身動きが取れずあたしはダメージを受けて倒れてしまっている。


「どうだ、君は人の可能性とやらを信じたみたいだが結局は裏切られていたようだな」
「そ、それは……」
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