第56話 リシャール大佐との決戦
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ゼル。西風の旅団に所属する『猟兵王』の子供達さ」
「そ、そんな……嘘よ!猟兵がリベール王国に来るわけないじゃない!猟兵を雇う事はこの国では禁止されているはずよ!」
そのリィンって人達が猟兵ならこの国にいるのはおかしいじゃない。
「ふふっ、別にこの国が猟兵を雇う事を禁止していても他国は別さ。偽装したパスポートや国境を自力で超える……猟兵は依頼を遂行する為ならあらゆる手段を使う奴らだ、この国に入り込むのも出来ない訳じゃない」
「でも猟兵がこの国に来る理由なんてある訳ないわ!」
「私は彼らがエレボニア帝国かカルバート共和国に雇われたものではないかと疑っている」
「どういう事よ!」
「彼らがカシウスさんと親しい事を利用して、上手くこの国に潜入して私の計画を暴こうとしたのかもしれないと私は思っているのだ。鉄血宰相『ギリアス・オズボーン』やカルバート共和国大統領『ロック・スミス』はかなりの切れ者だからね。そうなるとあの帝国から来ていたオリビエという男も怪しい、彼もまた帝国の諜報員なのかも知れないな」
「オリビエも……?」
まさかここでオリビエの名前が出てくるとは思わなかった。
「まさか!あいつは唯のお調子者よ。そりゃ色々首を突っ込んできたりもしたけどあたし達を騙そうとするような奴じゃないわ!大体さっきからリート君達を猟兵だとかオリビエをスパイだとか決めつけているけど、何の根拠があってそんなことが言えるのよ!」
リシャール大佐が言う事は何も証拠がない、あたしは信じないんだから!
「ふふっ、切り札という物は最後まで取っておくもの……それは戦闘や交渉でも同じことだ」
「何が言いたいのよ?」
「私は既に彼らが怪しいと言う証拠を掴んでいる」
「あ、あんですって!?」
「これを見たまえ」
リシャール大佐はあたしに何かの紙切れ……いやこれは写真かしら……?を投げつけてきた。
「戦闘中に一体何を……っ!?」
あたしは思わず目を疑ってしまった。写真に写っていたのは夜に黒装束の連中とリート君とフィル、そしてオリビエが戦っているの光景が写っていたからだ。
「なによ、これ……」
「それは前に孤児院の再建をさせぬように特務隊をマノリア村を襲わせたときの光景だ」
「マノリア村を襲おうとした?でもそんな話は聞いていない……あっ」
あたしがルーアン地方で孤児院を放火した犯人を追っている時に、真夜中にオリビエから黒装束の連中を見たと連絡を受けた事を思い出した。
あの時は何も思わなかったけど、この写真が本当なら彼らはこっそりと黒装束の連中と戦っていたって事?
「でも、なんであたし達に何も言ってくれなかったの……?」
「どうだね、これでも彼らは怪し
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