第56話 リシャール大佐との決戦
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あなたの計画を止めに来たわ」
「そのようだな、だが私は止まるつもりはない。この遺跡に眠る《輝く環》を手に入れてこの国を強くするために」
「っ、そもそも《輝く環》ってなんなのよ!それを使ってあなたはなにがしたいの!」
「……いいだろう。私の狙い、それを教えてあげよう」
リシャール大佐は後ろにある何かの機械を見上げながら話し始めた。
「かつて古代人が空の女神より授かりし『七の至宝』、彼らはこの至宝の力を使い海と大地と天空を支配したと言われておりその至宝の一つが輝く環なのだよ。もしこれが本当に存在するのなら、それが国家にとってどんな意味を持つと思うかね?」
「周辺諸国に対する強力な武器になる……つまりそういう事ですね」
「その通りだ」
クローゼの問いにリシャール大佐は頷いた。ようするに《輝く環》というのは強力な武器だって事ね。
「それでその強力な武器を手に入れてどうするつもりよ」
「エステル君、君はリベール王国という国をどう思う?」
「えっ?」
突然の質問にあたしは間の抜けた声を出してしまった。いきなりなんなのよ。
「えっと、いい国だと思うわ。人も優しいし豊かだし平和そのものだと思ってる」
「そうか、私も同じ意見だ。だがその平和がいつまで続くと保証できる?」
「保障……?」
「このリベール王国は周辺国家と比べれば国力で大きく劣っている。人口はカルバートの5分の1程度、兵力に至ってはエレボニアの僅か8分の1にしか過ぎない。唯一誇れる技術力もいつまでも保てるわけではない。二度と侵略を受けないためにも我々には、この国には絶対的な力が必要なのだよ」
「あっ……」
「エステル君、君も母親を失ったからこそ分かるだろう?いつまたエレボニアやカルバートがこの国を襲いに来るか分からない。いやそれが分かった時には既に遅いんだよ、だからこそこの国には強い力が必要なのだ」
あたしはその言葉を聞いて百日戦役で母さんを失った事を思い出した。もし百日戦役が起こらなければ母さんは今も生きていたはずだ、そう思うとリシャール大佐の言葉を強く否定できなくなってしまった。
「で、でもそんな訳の分からない物を頼らなくてもこの国には王国軍がいるじゃない!モルガン将軍やユリアさん達親衛隊、それにお父さんの弟子であったあなただっている!百日戦役だって乗り越えられたんだからどうにか出来るはずよ!」
「……ふっ、そう言って貰えるのは嬉しいが人の力には限界があるのだよ」
あたしの言葉を聞いたリシャール大佐は、どこか諦めたような表情を浮かべていた。
「どういう事?」
「10年前の百日戦役、あれを乗り越えられたのは英雄カシウス・ブライトがいたからだ。だが彼は軍を辞めてしまった、国を守る
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