第56話 リシャール大佐との決戦
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side:エステル
エステルよ。あたし達は古代遺跡の最下層を目指して、最後の昇降機に乗りこみ下に着くのを待っている所なの。
「もうすぐで最下層に到着しますね」
「いよいよ執念場ね」
「この先にロランス少尉が……」
「はっ、腕の見せどころじゃねえか」
「ああ、何としても彼を止めなくてはな」
ヨシュア、シェラ姉、クローゼ、アガット、ジンさんがそれぞれ違う反応を見せるが全員がこの先に待つ決戦の予兆を感じていた。
「でもフィルちゃん達は大丈夫でしょうか……」
ティータは傷ついてリタイアしたリート君、フィル、ラウラさん、オリビエの心配をしているみたいね。
4人はあのロランス少尉と戦ったようで、何とか退けることは出来たみたいだけど全員ボロボロで駆けつけたユリアさん達親衛隊に地上に運ばれていったわ。
「でもティータやクローゼは無理をしてついてこなくてもよかったのよ?」
その際にラッセル博士も危険だから一緒に地上に連れて行ってもらったが、ティータとクローゼは残ると言い出したの。
その時のユリアさんはすっごく困った顔をしてクローゼを説得しようとしていたんだけど、4人の容体が悪化するかも知れなかったので渋々説得を諦めた。
「ごめんなさい。でもせめて王族の者としてこの先に何があるのか、この目で確かめておきたかったんです」
「私もアガットさんが心配だったのでつい……」
「へっ、ガキに心配されるほど軟じゃねえよ」
まあついてきてしまったのなら仕方ないわよね、二人をしっかりと守ればそれでOKだし難しく考えるのは止めておきましょう。
「皆、そろそろ着くよ」
ヨシュアの言葉通り昇降機の動きが止まり広い空間があたし達の目の前に広がっていた。
「この先にリシャール大佐がいるのね……」
「ああ、いよいよ決着を付けるときが来たみたいだな」
あたしはゴクリと唾を飲み込むと、アガットが拳をパンと打ち付けて気合を入れた。
「皆、倒れていったリート君達の分まで頑張りましょう。何があってもリシャール大佐を止めるのよ!」
『応っ!!』
あたしの言葉に全員が力強く声を上げる。
「それじゃ行くわよ!」
武器を構えながら最深部に向かって走り出すあたし達、道中に敵の姿はなく難なく奥までたどり着くことが出来た。
「ッ!リシャール大佐!!」
「……やはり来たか」
奥に佇んでいたリシャール大佐はあたし達を見ても慌てた様子を見せずに堂々と立っていた。
「カノーネ大尉もロランス少尉もやぶれたか、流石はカシウスさんの血を引くだけの事はある」
「リシャール大佐、あたし達は女王様に頼まれて
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