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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
エピローグ 変わり得た明日の一ページ
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る。なんとなくだが、予想はついているのだろう。その確かめの意味合いが強そうだった。
「なんか勘違いしているようだけど、僕の言葉はあくまでも友人の域は出ないからね」
だが、ミストはそう言って、いつものやや意地悪な笑みを見せた。己の勘違いに気づかされたセレシアは、少しの赤面の後に、頬を少し膨らませた。
「むぅ……なんかしてやられた気分」
「気のせい気のせい」
そんなセレシアの不満そうな言葉を軽く流した後、ミストはもう一度エースとフローラの姿を見た。
視界に入った幸せそうな空間を作る2人の姿は、2回目ということもあってか心には全く響かなくなっていた。
「だけど、今更ながらエースに先越されたのはなんかモヤッとするね……」
「あたしも、フローラののろけ話を聞かされるばっかりは嫌だなー……」
代わりに心の中を支配したのは軽い嫉妬であり、口からこぼれ出たのは理不尽な矛先を持つ言葉だった。繋がってしまった兄と妹の姿を脳裏に思い浮かべながら、ミストは苦笑いし、セレシアは肩を少し落としていた。
「……そろそろ下りようか。お昼ご飯、まだ食べてないんだった」
「じゃあ戻ろっかー。あたしお腹の虫鳴りそう」
理不尽な矛先を本当に向けてしまう前に、ミストとセレシアは残った昼の時間を有効活用すべく、己の教室へと戻っていくのだった。
「しばらくは、独り身同盟でも結ぶかい?」
「そんな寂しい名前の同盟作らなくていい!」
例え世界に忌まれる身だとしても、1人の少年が命がけで叶えた願い。
想い人と、弟と、友人と。想いが繋いだリレーの先で掴んだ未来。
それは何も変わらない世界の片隅にて、変わり得た少年の確かな幸せを描いていた。
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