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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
エピローグ 変わり得た明日の一ページ
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で、一番上手に対人戦闘をこなせるのはエースだけだからね。僕が行ってても、プラントリナさんと同じ感じだったんじゃないかな?」

 ミストもセレシアも対人戦闘はこなせるが、ミストは1対1限定、セレシアは場所限定なため、いつもの4人ではエースだけが様々なシチュエーションでの対人戦闘をこなせる。

 そのため、あの時もし自分が行っていたところで、セレシアと同じことになったのではないか、とミストは思っていた。

「なんかすごく弱気だね」

「そうだよ。僕はまだまだ弱い。だから、エースがいてくれて助かる。今回だって、エースが復活してくれたからこそ、みんな無事だったんだしさ。あのままエースが復活しなかったら、今頃みんな空の上かもね」

 それが、ミストの今回の事件に関しての見解だった。元々限られたシチュエーションでしか対人戦闘が出来ない自分たちだけで解決するのではなく、エースを復活させることに全力を注いだのは、彼に挽回のチャンスを与えるというよりも、そのメリットの方が大きい。

 あくまでもサポートである、と割り切っていたからこそ、ミストにはこれといった達成感はなかった。

 しかし、それは数秒後に簡単に覆されることとなる。

「スプラヴィーンくん、森であたしがエアードくんにやられてた時、覚えてる?」

「急にどうしたのさ?」

 そう聞き返しても、きちんとは答えないセレシア。その様子を見て少しだけ変だな、とは思ったが、理由は追求せずに答えを言う。

「覚えてるよ。間に合ってよかった」

「うん。助かった。さっきから『フォンバレンくんがー』って言ってるけど、あのタイミングであたしを助けてくれたのは、他でもないスプラヴィーンくんなんだからね。本当にありがとう」

 真面目な雰囲気で、深々と頭を下げるセレシアの姿を見て、ミストも言いようのない達成感に少しだけ包まれた。これも、あの夜をくぐり抜けて勝ち得たものなのかもしれない。

 ただ、少しだけ気恥ずかしくなったミストは、少しだけ視線を宙に泳がせた後、こう口にした。

「僕はただ、大切な人を傷つけられたのが、イヤだっただけだよ」

「大切な人……フォンバレンくんのこと?」

「エースはもちろんだけど、大切な人が1人とは限らないよ。何人いたっていいと思う」

 この言葉を言えたことは、ミスト自身が変わったな、と思った瞬間だった。昼前の報告の時の、殻を破ったようなエースの言葉を聞いて、ミストも殻から抜け出た気がしている。

 この状況で言うには、どこかむずがゆい気持ちもあったが、この際だからこのくらいは明かしてもいいのだろうと、少しだけ勇気を見習った。

「それって……つまり?」

 やや頬を赤らめたセレシアが、ミストの言葉の真意を探ろうと問いかけ
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