暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第29話 灼熱の吹雪
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たとしたら同じように感じたと思う。そして、その思いを理解している2人が、彼女だけを送り出した、という感じだろうか。

「大丈夫なの……? 終わったの……?」

 フローラの心配そうな問いかけに、エースは笑みと頷きを返すだけだった。

 長くも思えた、とある夏の夜の一瞬の出来事はようやく終わったのだ、という意味を、その動作に込めていた。

 その次の瞬間、エースの足から力が抜けた。重力に身を任せて倒れこむエースを、慌てたフローラが走って来て支える。

「ごめん。ちょっと安心したら力抜けた」

「……そうだよね。全部、終わったんだもんね」

 フローラに支えられながら上半身だけを起こして、言い訳を口にするエース。軽い言い方に対して何か言いたいことがあったのだろうか変な沈黙があったが、フローラがその言いたいことを口にすることはなかった。

「ああ、終わったんだ。これもちゃんと返さないとな」

 死力を尽くして終わらせたことをかみしめるようなセリフの後、エースはズボンのポケットに手を突っ込んでリボンを取り出した。

 エースがこうして倒れることなくいたのは、お守りの代わりにエースを支えたこの大事なアイテムをフローラに手渡しで返すのが、約束の内容だったからだ。それを果たした今は、もう何も制約もない。

「これで、ちゃんと約束は果たしたぜ。だから俺、もう休んでもいいかな」

「目を覚まさないままなんてことは……ないよね?」

「大丈夫だって。きちんと起きるよ」

 またもや軽いエースの言い方にフローラは口を尖らせたが、それは一瞬だけの話。すぐに口元に笑みを浮かべて、優しく包みこむような声で、こう言った。

「じゃあ……おやすみなさい、フォンバレンくん」

「ああ、お休み……」

 それだけ言うと、エースは役目を終えた達成感に包まれながら、地面へと体を投げだした。

「そうだ、言い忘れてた」

「どうしたの?」

 目を閉じようとするエースがもう一度目を開き、そう言ったのを聴いて、半自動的に聞き返すフローラ。

 直後、エースは笑顔を浮かべて口を開いた。

「ただいま、スプリンコートさん」

「うん、お帰り。フォンバレンくん」

 朝には理不尽な恨みすら抱いた『お帰り』の言葉。

 今度は幸せな一言に出来たその響きを抱きながら、役目を終えたエースがゆっくりと目を閉じていく。

 最愛の人の元へ帰って来ることの出来た安らぎに包まれながら、世界との接続が切れていく。

「帰って来てくれて、ありがとう」

 意識が深く沈んでいく前、最後に聞いた言葉は、フローラの感謝と愛情がこもった言葉だった。







 それから十数分後、パードレとソレーラを呼び
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