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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第29話 灼熱の吹雪
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たせている。

「うおぁぁぁぁっ!!!」

 よほどダメージが大きかったのか動きの遅いエアードに対し、エースの氷の拳が嵐のように吹き荒れ始めた。

 それは、止まっていた自分の想いを動かし始めるような、熱い拳。迷いなどすでになく、ただ己の欲望のために振るわれる拳。ワガママだと言われてもいい。

 今はただ、彼女の勇気に応えるために、この身体を動かすのだ。


「『リオート・ヴィント・ブリザードサイズ』!!」

「ぐおぁぁぁっ!!」

 ブーストを得たエースの渾身の回し蹴りによって吹き飛ばされたエアードは、身体に溜まったダメージのせいで這いつくばる形になっていた。まだ目的のためにあがこうとしていたが、それも数秒の話であり、すぐに意識を彼方に飛ばした。

「……終わったか」


 そして、これまで全く気配を見せなかった静寂が訪れた。この場に立っているのは、エースただ1人。先に倒れたフォーティスも、今吹っ飛ばしたエアードも起き上がる気配はない。

 願うことならば、自分もこのまま倒れてしまいたかった。だがエースは願いとは裏腹に、すでに魔力も空になり、満身創痍となったその身体を三度動かし始めた。

 果たしていない約束が、まだ確かにある。






* * * * * * *






 一体、今、自分はどれだけの距離を歩いたのだろうか。

 きっと大した距離ではないのだろう。

 だがたった1メートルだけでも体を動かすのが大変である今は、体感距離と実際の距離がかみ合わない。延々と景色の変わらない森の中を、彷徨うように歩いていた。

 静かな森の中は、何も聞こえてこなかった。それでも、エースはエサを求めて徘徊する獣のように歩き続けていた。


 それから少しだけ時が経ち、エースの耳に、ようやく何かが聞こえて来た。地面を踏みしめるようなその音は、誰かがこちらへと向かってくることを示す足音だろう。

 やっとみんなと合流できる、と思ったが、それにしては足音はかなり小さい。他の誰かなのだろうかと、あれこれ考えているうちに、どんどんと足音が近づいてくる。


「フォンバレンくん……!」

 森の中を支配する静けさを押しのけてこの場所に来たのは、フローラただ1人だった。自分を見つけるなり心配そうにこちらを見る彼女の姿は、エースにとってまさしく闇の中の光だった。さまよい続けた意味もあったのだ。


 何故彼女だけがここに来ているのか、もし今までのエースのままだったら、分からなかっただろう。

 今はその理由も分かる。すでに1度無茶をして死にかけた自分に対して、約束を果たしてくれるかどうか心配になったのだろう。その気持ちは、エースが今のフローラと同じ立場に立っ
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