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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第29話 灼熱の吹雪
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バレン個人に対しての恨み。だからこそエースに対して、このように激情しているのだろう。
だが、今のエースにも叶えたいものがある。
「俺だって伝えたい想いがあるんだよ!!」
慣れ親しんだ武器を手にしたエースの高速で奏でる剣舞は、付け焼き刃の技能で太刀打ちできるものではなかった。エアードの持つ二刀を破壊し、エースも吠える。
「ならばまだです! まだ終わりませんよ!! 『ブラム・エクスプロージョン』!!」
もちろんエアードも本気である。ポケットに隠し持っていたのであろうマジックペーパーを1枚握りしめ、1回限りの炎魔法をエースに当てる。
「がふあっ!?」
爆発に巻き込まれたエースは、衝撃で手の中の二刀を手放し数メートルもの距離を転がっていく。地面によって汚れ、血を吐き、衝撃に顔をしかめながらも立ち上がる。
そして、風属性魔法による高速移動と、氷属性による攻撃力のブーストをもって、エースの拳が再びエアードに炸裂する。勢い十分の拳がもたらした衝撃が、相手の身体を突き抜け、エアードも傷だらけの身体を悶えさせる。
「ぐほぁ……!?」
振り切った体勢から数秒間動かないエース。一発一発を、命を削りながら撃つ気分である。
正直なことを言うと、ミストにあの時魔力を渡してもらっていなければ、フローラにも渡してもらったとはいえすでに魔力切れで倒れているだろう。普段感じているもの、見ているものが双子としてのデメリットならば、今エースは双子としてのメリットに助けられていることになる。
本来、人間は魔力さえ合えば両親の属性と同じ魔法を使うことが出来るのだが、その魔力の質によってどちらの属性に適性が出てくるかが変わる。双子であるエースとミスト、セレシアとフローラの使用する属性が違うのも、その質の細かな違いによるものである。
だが、誰とでも魔力の譲渡が可能なことから分かるように、魔力の帯びている属性というのは魔力の受け渡しには作用しない。それ以外の違いは違和感として作用するのだが、もしも質が限りなく等しければ、なじむための時間はほぼゼロに近い。双子において口移しではなく手伝いに魔力を受け渡せるのはそのためである。
そして、属性そのものが譲渡に作用しないことで起こる現象が、1つだけある。
それは――『普段は使用不可能な属性の、限定的使用可能』。
言い換えるならば、いつもは持ち合わせてない錠前の鍵を渡される行為が魔力の譲渡ということ。普段は決して使われることのないもう1つの領域が、双子の魔力の大幅な類似と細かな違いによって使えるようになるのだ。
だから今、エースは氷と風の2属性を使用している。本来1つであるはずものを2つにした、その名残が今の自分をこうしてギリギリで保
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