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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第28話 終わりを呼ぶ風の導き
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さを帯びたミストの瞳と声が、エースに最後の決断を迫る。
「何を今さら。そんなもの、とっくに出来てるよ。やりたいことが、叶えたい夢が、すぐそこにあるんだから」
対するエースは、重みを十二分に感じることのできるその問いかけに、気が抜けるほどあっさりと答えを返した。それは、彼がここに来るまでに決断したことが、一番大きかったからだろう。
上った段数はたったの一段だけだが、飛ばなければ超えられなかったであろう大きな一段を超えて、さらに前へと進む。
「それじゃあ、始めようか」
しっかりと2人の呼吸を同期させ、一つになるイメージを持つ。
「何をすんのかは知らねえが、余裕ぶっこいていると叩きのめすぞオラァァ!!」
その間に障壁を壊してこちらへと迫りくるフォーティスの姿が視界に入るが、エースとミストは慌てることなく一度拳をパンと軽く打ち付けた後、エースの左手とミストの右手を開いて重なり合わせた。
すると、そこを中心に氷の嵐が吹き荒れ始める。周囲にいる人物はその強烈な勢いに弾かれて、中心の2人へと近づくことは叶わない。
どんどんと強くなっていく吹雪はやがて不自然に細く棒のように集約していき、数秒後には急に何もなかったかのように消えた。
その跡地には、エースが風を纏ってしっかりと立っていた。その傍らには、ミストもエースの肩を支えにしつつも立っている。
「後は任せたよ、エース」
「ああ……ミスト、ありがとう」
「お礼なら帰ってからみんなに言いなよ。待ってるからさ」
そう言うと、なけなしの魔力を預けたミストが、僅かな残りを振り絞って早急にこの場から遠ざかっていく。
もちろん、そんなミストの姿????容易に殺せる獲物を相手も逃すはずがない。即座にフォーティスが剣を持って突撃を開始し、命を刈り取りにかかる。
「『リオート・フォートレス』」
だが、それはエースの氷の壁によって阻まれた。厚い壁に阻まれたフォーティスは、その向こう側へと逃げていくミストへ舌打ちして、再びエースを見る。
そのエースは、右の手のひらから何かを放つような動きを見せ、口を開いた。
「『ヴィント・フロウバースト』」
放たれた突風がエアードとフォーティスを後ろへ吹き飛ばす。そして、エアードは背後の木に、フォーティスは後ろの氷壁に激突し、地面に膝をついた後に始めて目の前で起こった現象を理解したようだった。
だが、驚きを見せることになったのはエースの方だった。2人とも一切の驚く素振りを見せることもなく立ち上がったからだ。おそらくこの魔法をマジックペーパーによるものだと思っており、そして数のハンデで勝ちは揺るぎないと思っているのだろう。
「どうやらまた死にたいみたいだな
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