暁～小説投稿ｻｲﾄ～:ツインズシーエム/Twins：CM ～双子の物語～第２８話　終わりを呼ぶ風の導き

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ツインズシーエム/Twins：CM ～双子の物語～

ツインレゾナンス
第２８話　終わりを呼ぶ風の導き
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「さすが、誘拐を企てることだけはあるね。一筋縄じゃいかなさそうだ」

「それはこちらのセリフです。思ったよりも出来るようですね」

　表現は違うものの、互いに相手のことを見誤っていたという意味のセリフを吐くミストとエアード。

　その次の瞬間には、魔法による迎撃戦が始まっていた。

　それは言い換えれば、どちらの魔力が先に果てるかの勝負。時折ドレイン系統の魔法も混ぜて相手のパワーダウンも狙うが、そもそもドレイン系は射程が短い上に相殺されて相手まで届かない。集中力を切らせばたちまち蜂の巣にされるような切羽詰まった中で、時折別の魔法を混ぜるのは至難の業だが、この場ではそれを両者共にやってのけていた。

　一発放たれると、そこに来た反対方向からの一発で即座に霧散し、またもう一発が放たれると、それも相殺してかき消され……それをひたすら繰り返す。

　大量の魔法陣が絶え間なく展開、消滅していく様はそれなりに綺麗ではあるが、戦闘であるという点を考慮すれば綺麗などというどうでもいい指標はいらない。互いを倒すために全精力を傾けている２人の撃ち合いは、延々と続く――

――かと思われた。

「ぐっ！？」

　突如として入ってきた横槍に防御が出来るはずもなく、ミストが横に吹き飛んだ。やや優勢だった勢いを一気に削がれる形となる。

　そこに追い打ちをかけるように、飛んできたのは魔力霧散魔法『ヴィント・ダウンバースト』。

　一気に魔力が失われたことで、酔いに近い状態となり頭を押さえてふらつくミスト。そこにエアードの魔法である空気砲が炸裂し、ミストは後ろに大きく吹っ飛んだ。

「ぐああ！？」

　背後の木に叩きつけられて、そのまま重力に従って下に落ちるミスト。視界が揺れているように見えるのは、他の魔法も同時にかけられているからだろう。とにかく、エアードの姿が捉えにくいことだけは分かっていた。

　自分とエアードの距離が開いたのはありがたかったが、それを差し引いてもこの状況はかなり不味い。加えて、先ほどの横槍がある。

　その横槍の主を探すために視線をさまよわせると、はっきりしない視界の中でも分かった新たな人影があった。

「チッ、仕留め損なったか」

　そこは、ゆっくりとした歩みのフォーティスだった。魔法を放った後の体勢を維持したまま歩いてくるその姿には、何かをやり終えた後のような姿に感じる。

「おや、フォーティスくん。どうしたんです？見張りは？」

「心配しなくてもありゃショックで当分動けねぇよ。後でじっくりとやりたいようにすりゃいい。俺は顔バレしちまったがな」

「ほう……そうですか。今のところ問題ないですし、大丈夫でしょう」

　フォーティスの意味深な言葉からその内容を推測した

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