機動戦士ガンダム
2225話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
手の新型機と、ヅダの改修機が模擬戦をやるというのだから、それを嬉しく思うなという方が無理だろう。
ましてや、ヅダの開発チームの中にはザクが採用されたのはジオニック社の政治的な理由だと思っている者も多いらしいし。
……正直に言わせて貰えば、幾らザクよりも性能が高いとはいえ、そこまで隔絶した訳でもなく、ましてやその機体がコンペの中で空中分解するような機体は……もし俺がジオン軍でどの兵器を採用するのかの権限を持っていても、ちょっと採用に躊躇するのだが。
もしこれで、ヅダの性能がザクの数倍もあるのであれば、ヅダを採用して改修を待つという選択肢もあっただろう。
だが、ヅダの性能はザクよりも優れているとはいえ、そこまで決定的に優れている訳ではない。
であれば、ザクを採用するのは当然だったし、当時のジオン軍の判断は決して間違っているとは思わない。
まぁ、それを正直に口に出せば、こっちとしても色々と面倒な事になりそうなのでそれを言う事はないが。
「それでだ。ヅダの方は先行量産型の数がある程度揃っているという報告は来ている。だが、武器の方はどうなっている?」
『そ、それは……』
武器の件を言われて言葉に詰まる様子を見ると、恐らく……いや、間違いなくまだ武器の開発は完了していないのだろう。
さっき言われていたように、まずはヅダの完成を重要視したというのは正しかった訳か。
それを理解しているのか、ラルは技術者を責めるような真似は特にしない。
「別にその件で責めようとは思っていない。そもそも、現時点でヅダが完成していなければ、模擬戦自体が出来なかったのだからな」
ラルの言葉に、映像モニタに映し出された研究者は見るからに安堵していた。
『ありがとうございます。そう言って貰えると非常に助かります。ジオン公国にいた時は、納期がかなり厳しかったり、使える権限や資源の類も少なかったりして……苦労してましたから』
しみじみと呟くその声は、聞いている者にどれだけ苦労していたのかというのを理解させるような、そんな声だ。
まぁ、ジオン公国としても、ジオン軍としても、ツィマッド社としても、空中分解などという結果を見せて、ザクにコンペで負けたヅダにはそこまで力を入れるような真似は出来なかったのだろうが。
寧ろ、よくそこまで温情を見せたなという思いの方が強い。
もっとも、そうして持て余した結果として、ルナ・ジオンに当時の開発チームが譲渡される事になったのだろうが。
「そうか。それで、武器の方の現在の進行度はどのような具合だ? 言っておくが、無理に開発を完了させて、結果として模擬戦の途中で破壊される。そのような事にならぬようにな」
『分かっています。……武器としては、今の時点で明確に完成していると言えるのはヒート
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ