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【シェアワールド】ユア・ブラッド・マインー新約・魔鉄文明英雄譚ー
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追加設定:アダマンタイト(魔鉄の発展利用に関する研究)

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 魔鉄を利用できないか、という研究は、この奇妙な金属が霊質界(アストラル)の存在であることが明らかになってから、何度も繰り返し計画されてきた。その集大成こそがラバルナ帝の編み出した『鉄脈術(リアクター)』であり、それを扱う生体兵器『製鉄師(ブラッドスミス)』なわけであるが――それとは別のアプローチで魔鉄に挑んだ研究もまた、魔鉄暦30年現在ではある程度知られている。

 輪をかけて有名なのは、ロキ・ヴァルトラウテ博士の研究していた『魔鉄合金』である。人のイメージに呼応し、その性質を変える、という魔鉄の特性は、彼女の研究の時点で既にある程度判明していた。ヴァルトラウテ博士はこの特性から、恐らく魔鉄は何らかの手法を用いれば「全く別の金属との合金であるかのように振る舞うだろう」という仮説を立てていたという(この時点ではまだ魔鉄鍛造は考案されてすらいない)。

 結局、合金のようにふるまう魔鉄、というのは上述の通り魔鉄鍛造によって再現が可能となったのだが――ヴァルトラウテ博士はもう一つ、『魔鉄合金』に関する研究を進めていた。

 それこそが『アダマンタイト』である。
 これは『合金の特性を有する魔鉄』ではなく、文字通り『魔鉄の合金』だ。魔鉄と別の金属を融合させた、霊質界の物質と、異なる次元の物質の融合存在。
 研究は失敗に失敗を重ね、ついぞ博士が事故で命を落とすまで完成することはなかったが、しかし彼女は死の直前、一つの金属の噂を聞き、それがこのアダマンタイトの作成に役立つのではないか、と考えていたらしい。
 名を緋々色金という。日本皇国の極秘事項として一部の人間にのみ伝えられてきたこの物質は、かなり以前からどうにも冥質界(カセドラル)の存在ではないか、と推測されていたらしい。曰く『進化する金属』。担い手と共に成長し、魔鉄とはまた違ったベクトルでその性質を変化させていくとされ、日本皇国に於いては国祖・初代天孫が冥質界より持ち込んだ霊金とされてきた。
 当然極秘事項であるがゆえに知る者は殆どいなかったわけであるが、偶然その名を耳にしたヴァルトラウテ博士は、この金属と魔鉄を合金にすれば、『人の意思に答え、共に進化する金属』を作り出せる、と考えていたらしい。

 無論、彼女はアダマンタイトを完成させる前にこの世を去った。それ故、この世界にアダマンタイトが存在することはあり得ない。
 されど、もしそんなものが実在するのであれば――あるいは、物質界と霊質界だけでなく、冥質界とも接続する究極の『魔鉄器』が、完成するのかもしれない。
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