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3章 穏やかな日々
25話 春の到来!?
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のカップを受け取りつつ、外目から見れば、ただ単に驚いているようにしか見れない。…だが、リアの内心は、さまざまな色がまじりあい、ひどく汚い色で一面塗りたくられていた。


「いつから?」
「…その、一緒に昼寝したとき、かな」
「ああ…そういえばキリトがそんなことしたって言ってたっけ」

 平静を保ちつつ、サンドイッチにかぶりつきながらリアが普通に返すと…

「き、キリトくんが!?なんて言ってた!?」

 いきなりアスナが席を立って前かがみになりがっついてきたため、サンドイッチがつまり、思わずリアはむせた。

「ごほっ、ごほっ!…ごほっ、別に、ただアスナとこういう成り行きで昼寝してきたって。まぁ、あと、“やっぱりギルドの副団長だなんて大変なんだろうな”なんてのんきに言ってただけだよ」
「ほかには!?何か悪いこと言ってた?」
「いや、キリトは陰口言うタイプじゃないし。ほんとにそれだけだよ」
「よ、よかったぁ…」

 アスナは胸をなでおろしながら再びストンと座った。リアはコーヒーを一口飲み下す。

「それにしても、まさかあの攻略の鬼がうちの従弟に熱を上げるとはね」
「い、いいじゃない!別に!」
「いや、悪いなんて一言も言ってないけど?」
「ご、ごめん…」

 アスナの感情の起伏が激しい。よけいに居心地が悪くて、胸がふさがったように苦しくなる。

「それで?私をここに呼んだのは?」
「あのね、実は…」

 リアは箱入り娘のアスナが、攻略と同じように恋愛にも突進型で、まさか自分の家に招いて手料理の夕食をふるまい、そして2人きりのパーティーを組むところまでこじつけているとは思いもしなかったので、かなりの驚きだった。そして、本当の本題は、

「明日一緒に迷宮区に行く約束をしてて。それでその…キリトくんのこと、教えてほしいの」
「なるほどね。それにしても、随分肉食系だったんだね、アスナ」
「だって、伝えなきゃ伝わらないじゃない」

 恐らく、アスナはただ単に自分の考えを口に出しただけだったのだろう。だが、その言葉は妙にリアにずきりと刺さった。

「…伝えなきゃ、伝わらない、か…」

 妙に頭の中をぐるぐると回る。アスナが怪訝そうな顔をした。
「リア?」
「…ん?ああ、ごめん。なんでもない。それで、キリトの何が知りたい?」
「す、好きなタイプとか…」

 リアは少し考えこむ。頭に浮かぶ、少々女顔の真っ黒くろすけ。

「うーん、割合ぐいぐい引っ張ってくれる感じの人が好きっぽいね。あとは、基本的に上品系の人かな。詳しくは聞いたことはないけど、そんな感じがする。だから、アスナとかは結構ツボにはまるんじゃないかな?」
「ほんとに!?」
「うん」

 アスナの眼がきらきらと輝く。…あまり
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