小木曽雪菜という少女
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の時、鈴科君が心から私の為に怒ってくれたこと、本当に嬉しかったんだよ?」
感情の起伏が乏しく、他人には一切興味を示さない彼が他でもない私の為に怒ってくれた。
損得勘定ではなく、心の底から私、"小木曽雪菜"の為に怒ってくれた。
その事実が本当に私は嬉しかった。
普段の態度は素っ気ないけど、そこには確かな私への"特別"があることが分かっていれば十分だ。
「彼女達との関係は修復出来なかったけど……」
私はそれ以上のモノを手に入れることが出来た
「今でも仲間外れにされることに恐怖を感じることはあるけれど、何とか頑張っていけると思う」
新たな仲間、新生軽音楽同好会
彼らはとても良い仲間だと、胸を張って言える。
「これからも鈴科君には私を見守っていで欲しいんだ」
「だからね……」
これからもずっと、ずっと、ずーと、私の傍にいてね?
永遠に、一生私の傍に……
私は鈴科君が傍にいればそれ以上のモノは望まないから……
何の迷いも無くそう思える程に私は鈴科君のことを想っているのだから、鈴科君も私以外の女に優しくしちゃダメだよ?
少女、小木曽雪菜は慈しむ様に、愛する様に、シルクにも勝る少年の黒髪を、頬を、唇を幾度も触る。
「ふふ……」
彼女は狂気を覚える程の儚くも、美しい、絶世の笑みを浮かべる。
彼女は静かな寝息を立てる鈴科をその身で抱き締め、足を絡ませ、両腕を首に回し、掛け布団を掛けた。
その端正な顔を少年の首元に寄せ、少年の匂いを思い切りその身に取り込む。
「鈴科君、これからもずっと私と一緒にいてね……?」
少女、小木曽雪菜は鈴科の頬に頬を擦り付け、満足げな様子で意識を夢の中へと旅立たせていった。
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