暁 〜小説投稿サイト〜
小木曽雪菜の幼馴染
小木曽雪菜という少女
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い、わたしのなまえをちゃんとよんで!

しつけェぞ、クソガキ

おぎそせつな!

うるせェっつてんだろ

おぎそせつな!

 無視をすることを決め、読書を再開する。
 傍では変わらず少女が自身の名前を呼び続けていた。

おぎそせつな!

……

おぎそせつなってよんで!

……

おぎそせつな!

……

“おぎそせつな”だってば!

うるせェぞ、クソガキ!壊れたラジカセか、オマエは!?

だったら、わたしのなまえをよんでよ

……

わたしには"おぎそせつな"ってなまえがあるの

チッ、分かった、分かりましたよォ。"小木曽雪菜"、これでイイですかァ?

んー、だめ!

ア?

 これ以上、此方に何を求めているというのか、このクソガキは

わたしのことは”せつな”、てよんで!

ア?何で俺がそんな面倒なことしなきゃ……

“せつな”!

アー、はいはい。分かりましたァ。せつなちゃん、これで満足ですかァ?

うん!

 全く何て純粋な笑顔であろうか。
 これでは冷たくあしらっていたことが馬鹿らしくなってきた。

じゃあ、あなたのなまえは?

……鈴科百合子

ふーん、かわいいなまえだね。じゃあ、わたしはあなたのことを”ゆりこくん”ってよぶね!

おい、馬鹿、止めろ

……?

俺のことは”鈴科”の方で呼べ

んー?よくわからないけど、わかった!

それじゃァ、お疲れしたァ

えー、帰っちゃうの、”すずしなくん”?

もう帰る時間だからなァ

じゃあ、一緒に帰ろう!

んな仲良しごっこに付き合ってられるか。俺と関われば碌な事ねェぞ

そうやってあいてをしんぱいするのはすずしなくんのいいところだとおもうよ!

ポジティブシンキングですねェ、雪菜ちゃんは……

 何度、突き放しても少女は自分から離れない。
 遂に根負けした自分は少女、”小木曽雪菜”と奇妙な日常を始めることになった。



すずしなくん、いっしょにかえろ!

はいはい、分かりましたァ

 一人の少女に懐かれた。



 急報、彼女の家は近所であった。
 家を数件またげば直ぐそこだ。

あなたに友達がいたのね、百合子

そんなじゃねェよ

照れる必要はないんだぞ

百合子君には、いつもお世話になってます!

オマエもその"百合子君"呼び、止めろ

オマエじゃない、私の名前は"雪菜"!

はいはい、すみませんねェ、雪菜さん

あらあら

 全く彼女と出会った時から彼女に振り回されてばかりだ。
 全く自分らしくない。

 だが、こんな日常も悪くないと、心の何処かで喜ぶ自分も
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