酔っ払いの役割
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自由惑星同盟議会代議員に初当選してから俺は必死に勉強した。なんたってハイスクール中退からまさかの政治家転身だからな。今までのように何もわかりませんでは有権者に申し訳がたたん。幸いホアンの親父は同盟政界きっての政策通だし親父の紹介で知り合ったレベロの叔父貴も頭が良い。まあ叔父貴とは思想柄対立関係にあるけど違う考えを知るという事は大切なことだって親父も言ってたしな。それに話してみると本当に紳士的で良い人だ。バカな俺でもわかりやすく話をしてくれる。ヨブの兄貴も俺に政治のイロハを教えてくれた。それだけでなくネグロポンディの旦那とアイランズの旦那まで紹介してくれた。2人共若造の俺にも優しくしてくれるしヨブの兄貴には本当に感謝している。
さて現在、同盟議会では第5次イゼルローン出兵案に対する決議を行おうとしている。これはイゼルローン要塞に対して5万隻以上の艦隊を動員するというものだが、この案には自由共和党だけでなく、我々社会改革党と同盟民主党も賛成している。まあそのバーターとして色々見返りがあるのだが、そこは妥協の産物という事で説明はしない。
しかしなんで単独過半数を持つ自由共和党が我々野党に譲歩をしてまで協力を仰いでるのか。それは同盟特有の政治事情がある。同盟の政党には所謂党議拘束というものが存在しないため、例え政党が賛成としても所属議員が造反する事態が良く発生するのだ。まあそれでも最高評議会議員の影響をかなり受けるので過半数が造反するという事はないのだが、今回の案件のような軍事作戦に関しては与野党問わず議員たちが独自の行動をとる。案の定今回の案件に関してはそれなり数の議員が反対しており、反対派は決議を取らせないため、本会議場を封鎖する所謂ピケ戦術をやってきた。俺の今回の役目はこのバリケードを排除し議長を議長席まで担いでいく事だ。
「オラァ!本会議の時間だオラァ!」
俺が叫びながら本会議場前のバリケードを排除していく。元々力仕事が得意だったこともあってあっという間にバリケードを排除し議長を担いで仲間と共に本会議場へ突入していく。
「どけどけぇ!議長が通るぞどけぇ!」
叫びながら邪魔をしようとする議員達を蹴飛ばして排除していく。もうすぐ議長席に着けることが出来る。そう確信した時、俺の顔面にいきなり飛び膝蹴りが飛んできた。
「うっ!誰だ!」
「ここから先は通しやしないよ!」
「お前はウィンザー婦人!」
奴はコーネリア・ウィンザー。ヨブの兄貴と同じ自由共和党の議員のくせに我々野党に妥協しているのが気に食わないとかいう頭のイカれた理由で出兵案に反対しているとんでもない婆だ。
「邪魔だぁ!」
「あんたがね!」
俺の拳と婆の右足が重なる。互角だった。その隙に俺は議長を議長席に投げる。そして議長席に待機していたネ
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