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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第23話 振り絞る想いの果て
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フローラ。振り絞った勇気の代償は、死へと近づく未来。自分の無力さを痛感するのさえ通り越して、忍び寄る恐怖で思うように口を開けない。
「ぐおっ!?」
余裕を持って近づいていたフォーティスに攻撃をしたのは、これまで動きを見せなかったセレシアだった。魔法を放ったままの体勢で、フォーティスをしっかりと見ている。
「そう簡単にさせないわよ」
「そうかよ。んじゃあ揃って逝けや」
フォーティスの繰り出す攻撃の矛先が、今度はセレシアに向く。切り刻む刃の後に迫りくる竜巻に打ち上げられ、地面に落ちる。衝撃に顔をしかめながら、セレシアは天を仰ぐような体勢でいた。
「姉妹揃って可愛いからって手加減してもらえるとか思ってんのか? 人間様に盾突く時点で百年早いってのに、甘いな」
エースとの殴り合いでダメージがある程度蓄積しているとはいえ、セレシアにとっては属性相性が悪く、フローラはそもそも単独戦闘には不向きである。戦闘することをメインとしているフォーティスに、2人が合わさったところで勝てる見込みなどなかった。
「まぁいいや。せっかくの恩を仇には出来ねぇし、ここじゃ思い通りには出来ねぇしな。だが、せめてこいつだけはやっとくわ」
フォーティスの右手に次第に風が集まっていく。博識とまでは言えないものの、それなりに魔法の知識があるフローラには、それが何だか分かった。
風属性魔法『ヴィント・バーストニードル』。空気を破裂させて得た力で魔法を飛ばし、相手に矢のような風を放つ魔法であり、攻撃魔法の中では上位に入る。当たり所が悪ければ高確率で重傷になることから、危険魔法にも分類されている魔法、ということを、フローラは知っていた。
「そらよ!」
フォーティスの右手から、魔法が放たれた。銃を撃った後のように反動で後ろへと少しのけ反るフォーティスから、放たれた矢のような風が、勢いよく飛ぶ。避けきれないと確信したフローラは、反射的に腕を掲げて防御態勢をとり……
「え……?」
何も襲ってこないことに違和感を覚えながら、恐る恐る目を開けた。
開けた瞬間だけでは、フローラは目の前の光景を理解できなかった。
自分はまだ生きていて、目の前には、それまで倒れていたはずのエースがいて──
「がふっ……」
少しだけ見せた笑顔の後、エースの口から赤黒い液体が飛び出た。それで、すべてを理解した。
その液体をまともに浴びて白いサマードレスを血染めにするフローラの眼前で、エースがその場に静かに倒れこんだ。裂けていた衣類の下から流れていくものの重さとは裏腹に、その存在を嘲笑うほど軽い音だった。
静まり返ったその場から、フォーティスが離れていく。しかし、セレシアもフローラ
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