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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第23話 振り絞る想いの果て
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 その直後、先ほどフローラを見張っていたローブ姿の男が進行方向に現れた。ミストがマジックペーパーを用いた雷属性魔法で痺れさせて動きを止めていたのだが、効力が落ちたようだ。

「もう追いついてきたの……?」

 自分たちを追ってきたそのスピードに驚きを隠せないフローラ。

 と同時に、戦闘が避けられないことを確信する。この先に行くためにはどうやら倒さなければならない状況になったらしい。

「フローラ下がってて!」

「いや、私も戦う」

「ダメ。今あなたが負傷したらスプラヴィーンくんの考えたことが全部パーになっちゃう」

 治療が出来るフローラの魔力と体力を出来るだけ温存してエースの治療に費やしたいセレシアと、癒したとはいえセレシア一人では負担が大きいと考えて2人で戦おうとするフローラ。対立する2人の意見は互いに互いのことを思いやっての発言である。

 ただ、その言い争いをしている場面だけがあまりにも悪すぎた。2人が見せた隙を狙って、風属性の魔法が吹き荒れる。

「ぐうっ……」

「んんっ……」

 それは2人の肌を傷つけ、白い肌を血で染めていく。

 こちらの相手も風属性となると、セレシアにとっては相性が悪くなる。だがフローラが阻害系魔法しか持っていない以上、彼女がメインで戦わなくてはならない。

 加えて手持ちの剣はエアードとの戦闘を経てすでに刃こぼれしているため、そう何度も使えるものではない。それでも、なんとしてでも妹を守ろうとセレシアは剣を構えた。

 互いの目的を果たすべくぶつかり合おうとする両者。


 そこに、1人の乱入者が現れた。それは、この場の誰しもがほぼ現れないとだろうと思っていた人物であった。

『フォンバレンくん!?』

「はぁ……はぁ……」

 その現れるはずがないと思っていた人物――エース・フォンバレンの姿を見たセレシアとフローラの驚く声が、その場に重なって響く。しかし、エースは目の前の光景に一瞬顔を歪めただけで大きな反応はせず、静かに言葉を吐き捨てた。

「2人とも下がってろ」

 それだけの短い言葉が、セレシアとフローラの口を封じた。2人はエースが進み出る様を、ただ見つめている。

「来たか」

 エースの今の様子は、見た目だけは戦えそうには見えない。ここに来るまでの時間で、ドレインにより失った魔力も少しは回復したのか自分の足で立ってはいるが、やはりセレシアとフローラは心配でしかなかった。

「ぶっ潰す」

 しかし、その表情は反対に好戦的であった。普段の彼からは考えられないような、ぎらついた目。そこにある感情が怒りであることは2人には分かったが、その中身に関しては分からなかった。

「死ぬ覚悟は出来てんだろうなぁ!!?
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