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小木曽雪菜の幼馴染
峰城大付属第一位
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 一人の少女が夕方の商店街を駆け足で移動する。
 シルクにも劣らない輝きを放つツインテールの長髪を揺らしながら少女、小木曽雪菜は目的の人物を探す。

 本日の学校も終了し、商店街は大いに賑わっている。
 小木曽雪菜はそんな商店街の街並みに気に留めることなく、息を切らしながら人ごみの中を走っていた。

 小木曽雪菜
 峰城大付属にて二年連続でミス峰城大付属に選出される快挙を成し遂げた美少女だ。
 当学園のアイドル的存在であり、性格も良く、成績優秀の優等生である。

 見つけた(・・・・)

 探し求めていた少年はやはり商店街で気に入った缶コーヒーを大量に買い漁っていた。
 既に買い物かごは缶コーヒーで一杯であるにも関わらず、今なお缶コーヒーをかごへと放り投げている。
 缶コーヒーを買い漁り、飽きては新たな銘柄を探す習慣は相変わらずの様だ。

 小木曽雪菜は微笑を浮かべ、件の少年の下へと駆け寄る。


「イイねェ、イイ感じじゃねェの、今日は豊作だぜェ……」

 商品棚を空にする勢いで少年が缶コーヒーを手に取り、笑みを浮かべていた。
 本人の喋り方と雰囲気で悪人気質の笑みであったが

「そんなに買い込んじゃうと他のお客さんの迷惑だよ、百合子君?」
「そんなのは知ったことじゃねェんだよ。問題なのは俺が缶コーヒーを飲めるかどうかだ」

 少年、鈴科百合子は小木曽雪菜の姿を視界に収めるとぶっきらぼうな様子で返事を返す。

「つーかオマエ、俺のことを"百合子君"って呼ぶんじゃねェ」
「缶コーヒーばかりだと栄養が偏っちゃうから、私も食品を選ぶのを手伝うね!」
「聞いていやがらねェ、こいつ……」

 本人がコンプレックスに近い気持ちを抱いていることを知っておきながら、雪菜は頑なにその名前を呼び続ける。
 何度そのことを言っても彼女は一向に改めることはない。
 鈴科の内心では"何なんですかァ、こいつ?"、状態である。

「相変わらず缶コーヒーばっかり飲んでるよね、百合子君。今日の夜食は何を買えば栄養をバランスよく取ることが出来るかなあー?」
「俺が何を買おうが俺の勝手だろ──って待て。まさか俺と一緒に夕食を食べる気か?」
「そうだよー」

 何かおかしなことを言ったかと言わんばかりに、雪菜は首を傾げる。

「オマエ本気で言ってやがんのか?正気かァ?」
「当たり前でしょ?」

 確かにこれまでも強制的に彼女の家に引きずり込まれ、夜食を振る舞ってもらったたことはあるが、今回は急過ぎる。

「ほお、そうか。なら缶コーヒーをコップに入れてくれるだけでイイゾ」
「それ料理じゃないからね、百合子君……」
「俺にとっては缶コーヒーは必要不可欠なモノなんだよ」
「二年連続でミス峰城大付属に
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