峰城大付属第一位
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りで鈴科の下へと駆け寄る。
「じゃあ、一旦私の家に荷物を置いたらカラオケに行こうか!」
「おいちょっと待て、こら」
「何かな、百合子君?」
「少しは人の話を聞け。一体誰が好き好んでオマエの趣味に付き合わなきゃなんねェんだ」
勝手に話を進める彼女に鈴科は苦言を漏らす。
「?」
「雪菜さんの頭の中はハッピーセットなんですかァ?俺はこれから家に帰って購入した缶コーヒーを飲むって言いましたよねェ?」
缶コーヒーが今にも俺に飲んで欲しそうに買い物袋の中で震えているぜェ
「えー、ただ缶コーヒーを飲むだけでしょー?」
「違いますゥ、崇高なる使命ですゥ」
解せないとばかりに頬を膨らませながら、彼女は此方に詰め寄って来る。
「ノリ悪いよ、百合子君ー」
「知らねェのか?俺は缶コーヒーを定期的に摂取しねェと死んじまうんですよォ?」
鈴科は言外にさっさと帰らせろと言わんばかりに鋭い眼光を飛ばす。
「そっかそっかー、負けるのが怖いのか、百合子君は」
「……」
「全国模試1位、峰城大付属の永遠の第一位様はカラオケ如きから逃げるのかー」
「……」
あ……?
「上等じゃねェか!カラオケでも俺には勝てねェってことを証明してやんよォ!」
「百合子君ってもしかして馬鹿でしょ」
正に煽り耐性がゼロ
「あと、オマエじゃない。私の名前は小木曽雪菜」
「今はそういうこと言ってんじゃねェよ」
「小木曽雪菜!」
「いや、だから……」
「雪菜!」
「チッ、雪菜さん。これで満足ですかァ?」
何と自我が強く、自己主張が強い女だ、鈴科は切実にそう思う。
彼女は何が楽しいのかとても嬉し気に此方の手を掴んでくる。
「よし、それじゃ、先ずは私の家に行こう!」
「はいはい、しょうがないですねェ」
なんだかんだ言って此方の買い物袋をさり気なく持ってくれる彼は心優しい少年なのだと雪菜は思う。
その後、雪菜の家に荷物を置いた2人はカラオケでメチャクチャ……
◇◇◇
放課後の校舎に誰もが聞き惚れるソプラノ声が響く。
屋上では小木曽雪菜が夕日を背景に歌っていた。
フェンスに腰を掛け、鈴科はそんな彼女を見据える。
彼女の長髪が風に揺れ、魅力的な肢体が夕日に映える。
本当に彼女は気持ちよさげに歌っている。
どうだと言わんばかりに彼女、小木曽雪菜はしたり顔で鈴科の下へと駆け寄る。
「どうだった、百合子君?」
「おお、やっぱ缶コーヒーと鮭弁当の組み合わせは最高だなァって」
やっぱり缶コーヒーと鮭弁当は最強だぜェ
「……」
この野郎、全然私の歌声を聞
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