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デジモンアドベンチャー Miracle Light
第7話:3人組
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「熱い…でも美味しい」

真夏であるにも関わらずにいきなり真冬並みの寒さとなり、長時間寒さを味わったヒカリからすれば今この瞬間程うどんを美味しく感じたことはなかったろう。

「暖まるよなヒカリちゃん、ブイモン。」

ブイモンの丼は大輔やヒカリのよりも大きなサイズで当然、うどんの量もそれに相応しい量だ。

しかしブイモンは余裕の表情でうどんを啜る。

「ふう…デジタルワールドにいた時は考えられないよなあ…」

基本的に町のあるエリアに行かなければ調理された温かい料理にありつけない。

育った集落では収穫した木の実をそのまま食べ、肉と魚を焼いたりして食べていたので今の生活は集落の中で過ごすデジモンとしては贅沢過ぎるだろう。

「大輔、ヒカリちゃん。明日は学校はお休みよ。今日は暖かくして寝なさいね…それでヒカリちゃん」

「?」

「今日は大輔の部屋で寝てくれない?」

「はあい」

普通なら同性のジュンの部屋が良いのだろうが、ジュンの部屋は人を入れることが出来ない魔境と化しているのでヒカリは大輔の部屋に…。

「暖かいね。大輔君、ブイモン」

「そりゃあ1つのベッドに3人入れば嫌でも暖かいって」

「普通なら姉ちゃんの部屋なんだけどあの部屋は人を入れられないからなあ」

入れた結果が、ジュンの友人達の悲鳴だったわけだし、ヒカリが病気になる可能性も否定出来ない。

真ん中にブイモンを入れて3人は暖かくして眠ることに。

「寝たか?」

「ええ、3人仲良くしてね」

こっそりと大輔の部屋を開けると仲良く3人で寝ている大輔達の姿に思わず笑みが零れた。

しかし夕食の時間になっても降りてこないジュンを心配して部屋を覗き込む。

「……………」

汚い。

とにかく汚い。

この前無関係なヒカリを巻き込んでまで綺麗にしたはずなのにまた元に戻っている。

顔を真っ赤にして倒れ伏している長女を見る限り、何かにぶつかって気絶していたようだ。

取り敢えず母親は部屋の惨状を見て、心の中であることを決めた。

        本宮ジュン

 上記の者、3ヶ月間の小遣い半分の刑に処す

         本宮母

そして翌日の朝、ジュンの部屋から賑やかな物音が響き渡る中、大輔とヒカリとブイモンは冷えた空気に身を震わせた。

「おはよう父さん」

「おはようおじさん」

「おはようお父さん」

「ああ、大輔にヒカリちゃんにブイモンもおはよう。母さんがジュンのことで忙しいから俺が甘いカフェオレを作ったんだが、飲むかな?」

「「「頂きます。」」」

熱いカフェオレをゆっくり啜りながら、大輔達は外を見遣る。

「「うわあ…」」


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