372部分:第二十四話 私の誠意その十
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だというのだ。フランス革命での急進的共和主義者だというのだ。
「それなのだ」
「ジャコバンですか」
「革命を起こしそれ以前の全てを完全に否定する」
「そこが同じだというのですか」
「その通りだ。社会主義者達もそう主張しているな」
「では。やはり」
「そういうことだ。彼等はジャコバン派の後継者、落とし子なのだ」
王の目は確かなものになっている。カトリックについて話すよりもだ。その目も言葉もだ。恐ろしい危機を見る目になって話しているのだ。
「その彼等を許せばだ」
「ドイツがおかしくなりますか」
「若しドイツが社会主義の国になる」
「そうすればどうなりますか」
「思想は一つになる」
一つ、それだけを聞けば耳に心地よいものだった。
だが、だ。王はそうではない証拠をホルニヒに話した。
「一つの思想以外は認められなくなる」
「社会主義以外は」
「彼等は自分達以外を認めない」
「ではカトリックもプロテスタントも」
「共に抹殺される」
抑えられるのではなくだ。そうなるというのだ。
「何しろ宗教を否定しているのだからな」
「そうなってしまうのですか」
「彼等は労働者と農民の国を造ると言っている」
王は彼等の主張を聞いていた。そのうえでの言葉だった。
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