【いい兄さんの日の従兄妹達】
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日向家にて。
「ネジ兄さま、今日いい兄さんの日なんだって! 何かしてほしいこととかある?」
「いい、兄さんの日……?」
ハナビの言葉に怪訝そうに首を傾げるネジに、ヒナタが付け加えて話す。
「語呂合わせで、11月23日は“いい兄さんの日”なんですよ」
「……俺は別にいい兄さんではないでしょう、あなた方は俺の実の妹というわけでもないのに」
二人の従妹に対しネジは、軽いため息と共に目を逸らす。
「従妹でも妹は妹でしょ! わたしと姉さまにとってネジ兄さまは兄さまなの! ね、ヒナタ姉さま?」
「うん、もちろん……! それにネジ兄さんは、強くてかっこよくて優しい、とても素敵な兄さんです!」
ヒナタに真剣な眼差しで言われ、若干気後れするネジ。
「ヒナタ様……流石にそれは、買い被りすぎなのでは。ましてや俺は、優しくなど──」
「まぁ確かに近寄りがたい時はあったけど、根は優しいのはわたしも知ってるよ。何だかんだ言って修業とか色々付き合ってくれるようになったもんね!」
「──??」
ネジはヒナタとハナビからふと顔を逸らす。
「あー、ネジ兄さま照れてるでしょっ?」
「からかわないで下さい」
少し怒ったように目を閉じ下向く。
「大体、いい兄さんの日ならば何かしてもらうのではなくする側なのでは……」
「え、でも、ネジ兄さんにはいつもお世話になっていますし……」
「──あ、じゃあさ、わたしと姉さまの頭撫でてくれない?」
ハナビの提案にネジは呆れた表情をし、ヒナタは恥ずかしそうに驚く。
「は……?」
「ハナビ……!?」
「姉さまもしてもらいたいでしょ? それともされたことあるの、わたしの知らないところでっ?」
「そ、そんなこと……?!」
「……いいんですか、それだけで」
「あ、それならほんとは昨日いいツインテの日だったらしいから兄さまにそれやってもら──」
「頭くらいならいくらでも撫でましょう、昨日何の日だったか知りませんがそれは断固拒否します」
ネジはきっぱりと言い切る。
「えー、ざんねん。じゃあわたしから撫でて?」
ハナビとネジは向き合い、ぽんっと1回片手で従妹の頭に手を置いてすぐサッと離す従兄。
「──はい終わりです」
「えっ、ちょっと待ってネジ兄さま! 今の頭に手を置いただけでしょ!?」
「そうでしたか?」
何食わぬ顔で目を逸らす。
「もー、ネジ兄さまのいじわるっ」
「つ、次は私に……!」
二人は向き合って少し間を置いてからヒナタ自ら頭を少し下げ、その頭部におもむろにネジは片手を軽く置く。
……するとヒナタは両手で顔を覆い
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