第四十七話 合格発表その十
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「絶対に」
「いえいえ、本当にですよ」
「私にっていうの」
「はい、教えて欲しいですし。それに」
「それに?」
「まあそこからはおいおいということで」
笑って言うだけでした。
「宜しくお願いしますね」
「何がおいおいなのよ」
「そういうことで」
「そういうことじゃないでしょ、とにかくこれは私のことから」
受験のことはです。
「阿波野君は帰ってね」
「帰らないですよ、だって先輩が合格されたら」
「どうだっていうのよ」
「またその時に」
何か言わないことばかりで気になります。
「お話させてもらいますね」
「一体何なのよ」
「まあまあ、とにかくもうすぐ発表ですね」
「そうなの、合格した人の受験番号が張り出されるから」
「その時が待ち遠しいですね」
「そうなのよ、合格していたいわ」
心から思うことでした、昨日お母さんとお話しましたが。大学に行かなくてもおちばに残ることは決まっていてもです。
「それで合格したらね」
「このままですね」
「大学進学よ」
「それで大学でもおみちのことを学んで」
「そうしてだけれど」
ここで阿波野君を見て思いました。
「何か阿波野君とは毎日会いそうね」
「嬉しいですよね」
「嬉しくないわよ」
憮然として言い返しました。
「何でそうなるのよ」
「僕としてはそれでいいって思ってますから」
「私は思ってないわよ」
このことも言いました。
「今だって毎日会うし」
「学年は違っていても」
「不思議な位ね」
おぢばは不思議やしきとも呼ばれます、思わない人に出会ってそこから色々なことが起こったりするからです。
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