第九幕その四
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「よくかかし君やジャックと遊んでいるんだ」
「そうなんですか」
「じゃあ今からですか」
「僕達で人生ゲームをするんですね」
「そうしないかい?オズの国の人生ゲームをね」
見れば駒も他のものも一杯あります、ですがオズの国にはお金はないのでその要素は全くありません。
「職業をそれぞれ選んで」
「ううん、お百姓さんに漁師さんに」
「商人さんもいますね」
「兵隊さんもいますし」
「王宮の使用人の人もいれば」
「本当に色々ですね」
「そうだよ、皆それぞれ選んでね」
見れば樵は郵便局の人を選びました、竜に乗ってお手紙を届けるあの人達です。
「そうして遊ぼうね」
「あの、ですが」
ジョーズはルーレットを置きつつ樵に尋ねました。
「悪いことが全然書いてないですね」
「あっ、確かに」
「人生のイベントで悪いことはなくて」
「いいことばかりで」
「しかもゴールはまたふりだしに戻りで」
「だってオズの国には不幸はないんだよ」
樵は五人に笑顔で答えました。
「だったら悪いイベントもないね」
「あるにはあるんですが」
「全部その駒ですぐに終わって」
「余計にいいことになって」
「それで一回休みとかなくて」
「さくさく進めますね」
「そうだよ、オズの国の人生ゲームだから」
それでとです、またお話する樵でした。
「それに死ぬこともないしね」
「だからゴールはふりだしに戻りなんですね」
「遊びたいなら遊べっていうんですね」
「そう書かれているんですね」
「そうだよ、そこは外の世界の人生ゲームとは違うね」
こうも言う樵でした。
「お金や悪いことや寿命がないことは」
「そうですよね」
「ですがそれはそれで、ですね」
「外の世界ですよね」
「うん、それもまた楽しいものだと思うよ」
オズの国の住人として思い言う樵でした。
「悪いものがあるからいいものが余計に楽しめて」
「死んだら生まれ変われるか天国に行ける」
「お金もよし悪しっていいますし」
「そうしたものがある外の世界もですね」
「いい世界なんですね」
「僕はそう思うよ、ただ外の世界は人それぞれみたいだね」
樵はドロシーがオズの国に来るまで何かと大変だったことを聞いています、ヘンリーおじさんもエムおばさんも生活が大変でした。
ですがドロシーはカンサスでの暮らしで楽しい思い出をお話することも多いので樵もこう言ったのです。
「幸福と不幸が。けれどね」
「けれど?」
「けれどっていいますと」
「自分を幸福だって思える人は幸福で」
まさにその人がというのです。
「不幸と思える人はね」
「不幸なんですね」
「そうなるんですね」
「ドロシーは大変な生活だったけれど」
カンサスにいた頃はです。
「それでも不幸だった
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