機動戦士ガンダム
2221話
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再び行われたセイラの演説は、連邦軍にとっては大歓迎され、ジオン公国とサイド6には苦々しげに受け止められた。
連邦軍にしてみれば、ジオン公国が行ってきた非人道的な実験を表沙汰にする事でコロニー落としや毒ガスの一件を連想させ、ジオン公国という存在を許せないといった風に兵士達の士気を高め、一般人にもこの戦争でジオン公国の独立は絶対に認められないといった機運を盛り上げる事になる。
ジオン公国としては、まさかセイラの発表をそのまま受け取る訳にもいかず、一部の者が勝手にやった事だとしてトカゲの尻尾切りを行った。
とはいえ、サイド6に研究所を建てることを認めさせて、人材や機材を運び込むといった真似をする必要がある以上、切られる尻尾も当然のように相応の地位を持った人物という事になり、被害は大きかったのだが。
サイド6の方は……こちらもまた、ジオン公国と同様にトカゲの尻尾切りが行われた。
サイド6の上層部の一人が、今回の一件は全て自分の責任だという遺書を残して飛び降り自殺したらしい。
あまりにタイミングが良すぎるのを思えば、やはりこちらもトカゲの尻尾切りだろう。
で、最終的に見た場合、今回の一件で一番得をしたのはルナ・ジオン……ではなく、連邦だろう。
自分達が何もしなくても、連邦の勢力下――サイド6は一応名目上は中立だが――で行われていたジオン公国のニュータイプ研究を止めさせて、それを許すなと士気も高まったのだから。
一応ルナ・ジオンも大きな利益を得てはいる。
例えば、ニュータイプ研究の被検者を引き取る事が出来たのは大きい。
被検者となるからには、当然のようにニュータイプとしての片鱗を見せている者や、研究によって多少なりともニュータイプ能力に目覚めている者もいる。
特に、被検者の中でも明確にニュータイプ能力に目覚めているクスコとマリオンは、意外な事にルナ・ジオン軍に入隊したらしい。
……いや、クスコは気の強さからそういう真似をしてもおかしくはないのだが、マリオンは見るからに気弱そうな性格をしている。
だからこそ、そんなマリオンが軍に入隊したと言われれば、驚くのも当然だった。
恐らく、二人ともセイラとの面会で何か思うところがあったのだろう。
そして、ニュータイプ研究に関する詳細なデータを丸ごと入手出来たのも大きい。
ルナ・ジオン軍でニュータイプ研究を進めるのかどうかは分からないが、少なくても借りを返すという理由でセイラ達から研究関連のデータを入手出来たレモンは、かなり喜んでいた。
……そのうち、量産型Wがニュータイプ能力を持たされたりしないだろうな?
他の子供の被検者は、特に何をする必要もなく一般の住人として暮らしている。
ただ、俺にとって予想外だったのは、被検者の何人かが将来的にMSパイロットと
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